今回は、MVNOの中でも独自の施策を展開してユーザーの支持を得ている「mineo」について書いていきますよ。
正直言いまして、私がもし次に乗り換えるならここにしようと考えているMVNOですのでおすすめ度はかなり高いです。
もしかしたらちょっと贔屓目に見ている部分があるかもしれませんが、なるべく客観的な書き方をしていくつもりですのでよろしくお願いします。
Contents
mineoって?
mineoの基本情報
- 運営会社:ケイ・オプティコム
- SIMの利用回線:docomo回線、au回線、ソフトバンク回線
- 音声通話SIMのMNP制限:利用開始の翌月から12ヶ月※解約金9,500円(税別)
- かけ放題プラン:10分かけ放題 月額850円(税別)
- 速度切替:専用ウィジェットあり
- 簡単な評価:キャリア3社の回線に対応している唯一のMVNO。
他にもフリータンクなど独自のシステムが好評
ケイ・オプティコムという聞き慣れない会社が運営していますが、この会社は関西電力の子会社で、主に関西地方の通信事業を手がけています。
聞き慣れなくてもバックボーンはかなりしっかりしている由緒ある会社と言えるでしょう。
電力会社の子会社というと若干役人気質なイメージがありますが、この会社はなかなか思い切った施策を行っており、尖った武器を持つMVNOとしてユーザーの支持を獲得しています。
mineo公式ページ
mineoの料金プラン
月額基本料金(税別)
- Dプラン(docomo回線)
プラン | データSIM | 通話SIM |
500MB | 700円 | 1,400円 |
3GB | 900円 | 1,600円 |
6GB | 1,580円 | 2,280円 |
10GB | 2,520円 | 3,220円 |
20GB | 3,980円 | 4,680円 |
30GB | 5,900円 | 6,600円 |
※高速通信の容量を使い切ったあとは、200kbpsの低速通信のみ利用可能。
ボリュームゾーンである3GBプランの料金が、データSIMで900円、通話SIMで1,600円というのは最安クラス1歩手前の極めて標準的な価格と言えます。
最安値とは数十円ですので、価格では他に劣っているということはありません。
一方、あまりパケットを使わない人向けに500MB(0.5GB)という少量のプランを用意してはいますが、容量6倍の3GBプランとの差が200円しかないことを考えるとかなり割高と言えるでしょう。
- Aプラン(au回線)
プラン | データSIM | 通話SIM |
500MB | 700円 | 1,310円 |
3GB | 900円 | 1,510円 |
6GB | 1,580円 | 2,190円 |
10GB | 2,520円 | 3,130円 |
20GB | 3,980円 | 4,590円 |
30GB | 5,900円 | 6,510円 |
データSIMの価格はdocomo回線と一緒ですが通話SIMは少し安くなっています。
auは選択肢が少ないので価格が上がるかと思いきや、安いのは助かりますね。
- Sプラン(ソフトバンク回線)
プラン | データSIM | 通話SIM |
500MB | 790円 | 1,750円 |
3GB | 990円 | 1,950円 |
6GB | 1,670円 | 2,630円 |
10GB | 2,610円 | 3,570円 |
20GB | 4,070円 | 5,030円 |
30GB | 5,990円 | 6,950円 |
docomo回線とau回線に比べるとやや高い価格設定になっています。
ソフトバンクからの仕入れ値が高いことが覗えますね。
音声通話の料金(税別)
料金 | 備考 | |
基本通話料金 | 20円/30秒 | |
mineoでんわ利用時 | 10円(税込)/30秒 | アプリあり |
10分かけ放題 | 月額850円 | アプリ利用。10分以上は10円/30秒 |
mineo電話はなぜか税込10円ですので他MVNOの税別10円/30秒より少し安いです。
通話の多い人はお得になりますが、そもそも通話が多い人はオプションをつけると思うのでそれほど気にしなくてもいいでしょう。
mineoの強み。独自の路線でユーザー拡大中!
全キャリアの回線プランを用意している
回線が3社分用意されているのはmineoのみです。
他の会社は大体docomo回線1本で、他はあってもauプランくらいです。
別に3社の電波を同時利用するわけでもないだろ?
確かに3キャリアの回線を用意していることは、それ自体に特別な利点があるわけではありません。
では、その3回線の何がいいのかと言うと、乗り換え前に利用していた端末を買い換える必要がないというところです。
これは割と知られているシステムですが、docomo、au、ソフトバンクで購入した端末はそれぞれの会社の回線しか使えないようにSIMロックがかけられています。
例えばdocomoで買った端末では、原則docomoの電波しか受信しないためauやソフトバンク回線のSIMカードを挿しても使えないんですね。
そしてそのSIMロックを解除するのには大体3,000円くらいの手数料を取られてしまいます。
つまり、ソフトバンクの端末をそのまま使ってMVNOに乗り換えるためにはソフトバンク回線を利用しているY!mobile、au端末を使うにはUQmobileくらいしか選択肢がないわけです。
そのためdocomo回線を利用する多くのMVNOに乗り換えるためには、不本意でもSIMフリーの端末を新たに買うことを強いられるケースが多かったんですね。
しかしmineoでは3社の回線を全て用意しているため、お持ちの端末がどのキャリアのものであれプランを選ぶことによって買い換えの必要がなくなります。
その後端末を買い換えたくなったら自分の好きなタイミングでSIMフリー端末を買って、ソフトバンク回線プランより安くてau回線より汎用性の高いドコモ回線プランに変更すればいいという算段です。
最悪使えない端末も結構ある。
このように、端末を買い換える必要がないが通信費は下げたいと思っているユーザー層の受け皿になる稀有なMVNOと言えるでしょう。
月末にちょっと足りない時に重宝する「フリータンク」
こちらもmineo独自のシステムです。
割とよくデータ通信を行う人は、月末近くに残量が少なくなって困るというケースもあるのではないでしょうか。
キャリアや他のMVNOの場合、そんなときは翌月まで低速で我慢するか、割高な追加パケットを購入するしか方法はありません。
しかしmineoでは、1GBを上限にデータ通信量を分けてもらうことができるのです。
「そんなうまい話が…」と思うかもしれませんが、実際にもらえるmineoだけのシステムがこのフリータンクなのです。
フリータンクの概要、条件は下記のとおりです。
- 余ったパケットを貯めておくフリータンクなる場所が存在。
- 利用するにはマイネ王アカウントとeoIDの連携が必要。
- 毎月21日~末前日まで、パケット残量1GB未満の人が引き出し可。
- 引き出したパケットは翌日付与。
- 1人月2回まで、累計月1GBまで引き出し可。
- フリータンクの原資は余らせた人の寄付。
だいたいこんな感じです。
マイネ王については後述します。
肝となるのが一番下の、「寄付が原資となって成り立っている」という点です。
フリータンク制度の開始時には1TBをmineo側が初期残量として用意しましたが、その後は余らせた人がフリータンクに寄付するという形で残量を維持しています。
そのため、理論的にはただ乗りする人ばかりになると早晩パケットは枯渇するのですが、開始から3年以上経過した2018年12月現在で68TBくらいの残量とかなり増えています。

いかにパケットを余らせている人が多いかということが読み取れますね。
このシステムがあれば、
という人がパケット買い増しやプラン変更をしなくても3GB契約のままで済ませることができます。
そして余った月には寄付するようにして引け目を解消していけばいいわけです。
一方、
という人も出てくる可能性もあります。
しかし引き出しできるのが毎月21日以降となっているため、1.5GB使う人が500MBで21日まで保たせるのは至難の業です。
フリータンクだけでなく直接のやり取りも可能
という方はフリータンクに頼らずに知り合いと直接パケットのやり取りをすることが可能です。
mineo同士であれば親子や友人間で余った人から足りない人へ直接パケットを寄贈することができますので、知らない人に寄付するのに抵抗がある方はこちらを利用するというのも手ですね。
また、10名までのグループで繰り越し分のパケットを自動でシェアできる機能もあるのですが、こちらは仲間内で揉める可能性を秘めているので個人的にはどうかなぁと思います。
mineoのコミュニティ「マイネ王」
mineoには「マイネ王」というコミュニティサイトが存在します。
マイネ王はパケットのやり取りを行うためにアカウントをeoIDと連携させるためには登録が必要なのですが、それだけのために存在するわけでありません。
ここにはユーザー同士が情報を共有したりできる掲示板や、運営ブログ、Q&Aコーナーなどがあります。
mineoについてわからないことはここで質問して回答をもらえたりするので初心者にも安心です。
掲示板でコメントや回答をした人にチップとして10MB分のパケットを送ったりもできますので、もしかしたら掲示板で秀逸なコメントを残して人気者になればおひねり感覚でパケットを増やせるかもしれません。
さらに、mineoを良くするための提案コーナーもあるため、今後も提案によって独自の秀逸なシステムが生まれる可能性も期待できます。
このマイネ王を通してユーザーの声を受けた運営が帯域を増強した実績などもありますので、他のMVNOに比べてその辺のフットワークが軽いこともメリットと言えるでしょう。
mineoのデメリットは原則MVNOのデメリット
ここまでmineoのいいところを挙げてきましたが、mineoに弱点がないわけではありません。
しかし、mineoの弱点は大体のMVNOの弱点ですので、mineoだけが特別悪いわけではないということを最初にご理解くださいね。
やっぱり平日12時台は遅くなる。
これはほとんどのMVNOの宿命と言っていいでしょう。
マイネ王を通じたユーザー要望を受けて利用帯域の増強などを何度も行ってはいますが、やはりサラリーマンの利用が集中する昼休みには対応しきれていません。
平日昼間の利用に合わせた帯域を用意してしまうと維持費が高騰して昼以外は帯域を遊ばせてしまうため、なかなか思い切った増強に踏み込めないというのが実情のようです。
どうしても昼休みに動画を観られなければ困るという方は、高いお金を払ってキャリアのままでいるか、準キャリアのY!mobile、UQモバイルを選ぶしかありません。
準キャリアは3大キャリアに比べると料金はだいぶ安いですが、キャリア同等の○年縛りが強烈にかかってきますのでご注意くださいね。
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やっぱりLINEの年齢認証はできない。
これもほとんどのMVNOに共通するデメリットですが、ほとんどのMVNOはLINEと個人情報の共有を行わないため年齢認証ができません。
年齢認証ができないとIDの検索ができないためID検索によって知人の登録ができなくなるというデメリットがあります。
年齢認証はキャリアのSIMを借りて挿すだけでも突破できますし、そもそもID検索しなくてもQRコードでの友だち追加など代替手段はいくつか存在します。
しかし、「どうしてもIDで友だち追加したいけどSIMを借りたりするのは嫌」という方は利用できるMVNOは限られています。
年齢認証を突破できるMVNOはほとんどキャリアと同じポジションの「Y!mobile」、もしくはLINE自体が運営している「LINEモバイル」しかありませんので、キャリア以外ではこの2つしか選択肢はありません。
mineoでの年齢認証はできませんので、どうしてもという方は上記どちらかでご検討ください。
Y!mobile
LINEモバイル

mineoのメリット・デメリットまとめ
mineoのメリット
- 価格帯は最安値の1歩手前水準で、最安MVNOと遜色なし。
- 3社の回線が揃っているので、キャリアのスマホを継続利用できる。
- フリータンクで契約パケット量より少し多く使える。
- 余ったパケットを寄付して貢献することも可能。
- マイネ王で運営に声が届くことも。
mineo(に限らず大抵のMVNO)のデメリット
- やはり昼休みは速度が低下。
- LINEの年齢認証は通常は不可。
メリット、デメリットをまとめるとこんな感じです。
mineo独自のメリットは存在しますが、mineoだけのデメリットというのは特にないと思っていいでしょう。
ただし、実はMVNOに関しては総じてこんな感じです。
キャリアから乗り換える場合において、ここで挙げた弱点を承知の上であれば後悔することはそうそうありません。
キャリアの料金の高さに比べればMVNO同士の差というのはそれほど大きくないというのが実情です。
それぞれ独自のシステムやプラン、料金で差をつけようとMVNOは努力しているのはユーザーにとっては大変ありがたいことです。
しかし、MVNO同士の差を吟味するのに時間をかけてズルズルとキャリアに高い料金を払い続けるより、直感的に選んだMVNOに乗り換えてしまうほうが得であるということは間違いありません。
どこに乗り換えたってキャリアよりマシだって。
MVNOのMNP制限は大体長くて12ヶ月です。
たとえ乗り換えた先のMVNOに不満が出てきたとしても、何年も高い料金でキャリアに縛られてきたことを思えばさして長い期間ではないでしょう。
幸い今回記事にしたmineoに関しては、何となくで乗り換えたとしても厳しいデメリットがあるMVNOではありませんし、そういったユーザーの受け皿としてはなかなか優秀なMVNOだと思います。
スマホ代やパケ代が高くて何とかしたいと思うのであれば、まだ身に起こっていないことに不安を巡らすよりも思い切って乗り換えてしまうことをお勧めします。
以上です!
