今回は私も利用している「OCNモバイルONE」についての解説記事です。
いいところ悪いところひっくるめて洗いざらい書いていきますので参考になれば幸いです。
結構長い記事ですのでお急ぎの方は目次からまとめに飛んでくださいね。
※記事中の料金については、特段の記載がない限りすべて税別です。
OCNモバイルONEって?
OCNモバイルONEの基本情報
- 運営会社:NTTコミュニケーションズ
- SIMの利用回線:docomo回線
- 音声通話SIMのMNP制限:6ヶ月
- かけ放題プラン:10分かけ放題、トップ3かけ放題
- 速度切替:専用ウィジェットあり
- 簡単な評価:大手なのにトリッキーなプランやオプションに魅力。最安を目指すMVNOではないので料金は最安ランクより少し高い。
↓OCNモバイルONE公式ページはこちら
OCNモバイルONEの料金プラン
月額基本料金(税別)
プラン | データSIM | SMS付SIM | 通話SIM |
110MB/日 | 900円 | 1,020円 | 1,600円 |
170MB/日 | 1,380円 | 1,500円 | 2,080円 |
3GB/月 | 1,100円 | 1,220円 | 1,800円 |
6GB/月 | 1,450円 | 1,570円 | 2,150円 |
10GB/月 | 2,300円 | 2,420円 | 3,000円 |
20GB/月 | 4,150円 | 4,270円 | 4,850円 |
30GB/月 | 6,050円 | 6,170円 | 6,750円 |
低速15GB/月 (500kbps) |
1,800円 | 1,920円 | 2,500円 |
※高速通信の容量を使い切ったあとは、240kbpsの低速通信のみ利用可能。
固定回線でOCNを利用していると200円/月の割引あり。
音声通話の料金(税別)
料金 | 備考 | |
基本通話料金 | 20円/30秒 | |
OCNでんわ利用時 | 10円/30秒 | アプリあり |
10分かけ放題 | 月額850円 | アプリ利用。10分以上は10円/30秒 |
トップ3かけ放題 | 月額850円 | アプリ利用。各月通話量の多い相手3名が 自動で無料化される |
かけ放題ダブル | 月額1,300円 | アプリ利用。 10分かけ放題とトップ3かけ放題の 両方を適用したセット料金 |
OCNモバイルONEの強み
NTTグループという大手運営の安心感。
運営会社のNTTコミュニケーションズは言わずと知れたNTTグループの会社です。
固定回線プロバイダーのOCNも運営しておりこちらも最大手の一角です。
個人的には今後、MVNO運営会社の再編も進んでいくと考えており、そんな中で再編の影響を受けにくい大手資本は安心材料の一つと言えるでしょう。
まあ正直「明日でサービス終了な」というようなことはどの会社を選んでもないとは思いますが、安心を求めるのであれば母体は大きいに越したことはありません。
他にはないトリッキーなプラン
トリッキーな「日量○○MB」プラン、170MBは意味はないが110MBの方は多少の利用価値あり
高速通信の容量は、大抵のMVNOの場合「月○GB」というのが一般的です。
OCNモバイルONEのプランには「1日110MB(メガバイト)」のプランが存在します。
データのみSIMの月額料金を比べてみると、
- 1日110MB(月あたり3.3GB)…900円
- 月3GB…1,100円
- 1日170MB(月あたり5.1MB)…1,380円
- 月6GB…1,450円
1日110MBプランは月3GBプランより割安ですが、1日170MBの方は逆に割高になっていますね。
170MBの方はお得感がないので無視しますが、110MBの方は月3GBに比べて安い料金設定となっていますので多少の利用価値があります。
通常の月○GB契約の場合、月の途中で契約容量を使い切ってしまった場合は、パケットを買い足さなければ低速通信しか利用できなくなります。
しかしこの1日110MBプランの場合、午前0時を基準に110MBの使用量が設定されます。
例えば午後11時半に契約の110MBを使い切ってしまった場合、パケットを買い足さなくても30分待てば高速通信が復活することになります。
少しスマホ自体から距離を置いたほうがいいよ。
ついつい使いすぎて月末近くにパケットを買い足してしまうような人が節制するためにはいいプランなのかもしれませんね。
ちなみに500円払えば午前0時までの間は高速通信が使い放題になります。
特段の事情で朝イチで使い切ってしまったなどという場合は500円で制限なく1日中高速通信が可能です。
ただし、このプランには弱点があります。
それは、繰越が1日分しか行われないという点です。
月3GBプランであれば1ヶ月分まで繰り越せるので、月初には最高で6GBの容量が残ることになります。
しかし1日110MBプランでは1日分ですので、最高でも220MBしか貯めておくことができません。
つまり、パケットを余らせている限り毎日少しずつパケットを捨て続けることになります。
ですのでこのプランは、日によって通信量が上下する人には向いていないプランということになりますね。
そもそも1日110MB使い切る日なんてないもの
トリッキーな「トップ3かけ放題」は業界初。
長電話の相手が決まっている人に最適。
各MVNOでは、制限付きでのかけ放題プランが用意されていることが多いです。
OCNモバイルONEも10分かけ放題のプランを月額850円で用意しています。
こちらは特に珍しくもなんともないのですが、OCNモバイルONEではもう一つのかけ放題プランが存在します。
それが「トップ3かけ放題」、月額はこちらも850円です。

これは、OCNでんわ(アプリインストールで普通の電話と同じ使用感が可能)を利用した時の通話料について、月の通話料上位3名の電話料金が自動的に無料になるというプランです。
キャリアのかけ放題のようにフルカバーはしていないものの、誰彼構わず長電話をするという高レベルな電話魔でなければこのトップ3かけ放題と10分かけ放題のセットがあれば充分カバーできると思いますがいかがでしょうか。
ちなみにOCNモバイルONEで10分かけ放題とトップ3かけ放題のセットである「かけ放題ダブル」は月額1,300円なので個別の契約より600円ほど割り引かれます。
携帯を仕事で利用していたりして、「大体は10分で間に合うけどたまに長くなっちゃう」という人であれば、かけ放題ダブルを利用しておけば予期せぬ高額な通話料を回避することもできますね。
低速通信もそれなりに速度が出る安定感。
これは実際に利用していないと気づけませんが、高速通信量を使い切ってしまった場合や、速度切替をして低速通信にしている場合、OCNモバイルONEでは割と忠実に規定の240kbpsに近い速度が出ます。
私がそれを実感したのは妻の出産のときで、病室にはテレビも何もない状態で本格的に産気づくまでの間は何もすることがなく暇を持て余していました。
かと言ってむやみに外出するわけにもいかないため、外界の情報を得るためにスマホでラジオを聞くことに。
そのとき通信量がもったいないので低速通信に切り替えてradikoを流していたんですが、思いのほか快適に聞くことができ、途切れることもほとんどありませんでした。
他の会社だと低速通信が全く使い物にならないというところがあったり、そもそも高速低速の切替ができない会社もあります。
ちなみにキャリアでは各社とも切り替えは不可能で、使い切った際の低速通信は128kbpsです。
そんな中、OCNモバイルONEはウィジェット1つで切り替えが容易に可能で、低速通信時もそれなりの速度が出せるという点に置いては優位性を持っていると言えるでしょう。
また、radikoや音楽ストリーミングサービスを長時間垂れ流す使い方をしていると通信制限に引っかかって更に遅い超低速モードになってしまうMVNOもあります(IIJmio系)が、OCNモバイルONEにはそういった制限がありません。
そのため、ラジオや音楽をBGMとして流しておくという使い方をよくする人にとってはOCNモバイルONEは非常に有用なMVNOと言えるでしょう。
Wi-Fiスポットが充実しており、全プランで利用可能。
MVNOは独自のWi-Fiスポットを用意していることが多いですが、ご多分に漏れずOCNモバイルONEでも無料Wi-Fiスポットがあります。
全国で82,000箇所以上のスポットがあり、他社と比べても遜色ない数のスポットが利用可能です。
そしてこの無料Wi-Fiスポットは全プラン契約者に対応しているため、一番安い1日110MBデータプラン(900円)でも利用可能です。
Wi-Fiスポットの利用には○GB以上の契約者のみなどの条件をつけている会社もある中でこれは良心的だと思います。
OCNモバイルONEの無料Wi-Fiスポットが利用できる施設は、
- スターバックス
- タリーズコーヒー
- セブンイレブン
- イトーヨーカドー
- ローソン
- ロッテリア
- モスバーガー
などです。
スタバで長居したりする人は重宝するんじゃないでしょうか。
その他にも都市部では、ショッピングモールや駅構内、駅前広場なども対象になってたりして、意外と色んな場所で使える印象です。
クレジットカードがなくても何とか利用可能
ほとんどのMVNOはクレジットカードでの決済が必要です。
口座振替が可能であっても手数料が1回につき数十円~数百円かかってしまったり、利用に制限や条件がついてしまう場合がほとんどです。
OCNモバイルONEも基本的にはクレジットカード決済なのですが、特に条件や手数料なしで口座振替も可能な数少ないMVNOです。
普通にクレジットカードを利用する人であればどうでもいい特長ですが、訳あってクレジットカードを待たない人にとっては手数料無しで口座振替が可能なのは有用でしょう。
ただし、口座振替を利用するにはネットではなく電話で申し込む必要があったり、口座振替審査などの関係で開通までの時間が余計にかかるというデメリットがありますのでご注意下さい。
おまけ:固定回線のプロバイダーとしてOCN利用中であれば月額200円引き
掲題のとおりなんですが、固定回線でOCNを利用されている方は、どのプランでも月額200円の割引を受けられます。
1日110MBプランはデータ通信で基本料900円ですので、OCNユーザーであれば月額700円で利用可能です。
通話付のプランであれば1,400円から可能ですね。
元々OCNモバイルONEはMVNOの中では安い方の会社ではないですが、OCNユーザーであれば200円引きが適用されることである程度価格で戦えるようになるというイメージです。
月3GBの通話SIMの場合(すべて税別)
OCN モバイル ONE:月1,800円→OCN利用者は1,600円
DMMモバイル:月1,500円
IIJmio:月1,600円
mineo:月1,600円
価格勝負のDMMモバイルには及びませんが、200円引き後だと他の大手MVNOとは互角の勝負になりますね。
DMMすごいな…。
OCNモバイルONEの弱点
あまり価格競争を頑張らない
MVNOの価格は黎明期に比べてだいぶ下がり、利用可能な通信量はかなり増えました。
その中で時代に合わせてOCNモバイルONEも増量と値下げを行ってはきましたが、他社に比べるとどうしても1段階高い値段設定と言わざるを得ません。
もちろん大手キャリアに比べれば格段に安いのですが、MVNO同士の比較となるとその限りではありません。
上の例でも挙げましたが、標準的な3GBプランで見ると、他の大手MVNOと比べて200円ほど高く設定されています。
個人的にはここの200円を頑張るだけでも印象はだいぶ違ってくると思うのですがいかがでしょうか。
MVNOのボリュームゾーンである3GBプラン帯においてわざわざ高い値段設定をしており、ブランドに胡座をかいていると思われかねないのはマイナスポイントでしょう。
昼休みに速度が落ちるのを諦めている?
これは各種MVNO共通の弱点でもあるのですが、特に平日の昼休みは利用が集中するためどうしても速度は落ちてしまいます。
SNSや軽めのサイト閲覧程度ならちょっとイライラする程度で済みますが、動画再生などはかなり厳しいです。
他のMVNOでは回線の増強をアナウンスしたり頑張っている感じを見せている会社もありますが、OCNモバイルONEではそういったアナウンスは聞こえてきません。
もしかしたらこっそり増強していたりするのかもしれませんが、速度をモニターしているサイトなどでも結果は芳しくないようです。
まあ正直なところ、昼休みに速度が出るのは準キャリアの「Y!mobile」と「
UQモバイル」だけと思って間違いありませんので、どうしても昼休みに動画を快適に観たいという方はこのどちらかを契約するしかないでしょう。
昼の速度に関してはこの2社は別格です。
正直に遅い結果出してるだけマシなのかも。
OCNモバイルONEのメリット・デメリットまとめ
OCNモバイルONEのメリット
- 大手資本の安心感。
- アプリやウィジェットも充実しており使い勝手に問題なし。
- トリッキーなかけ放題プランの存在。
- 低速通信が意外と使える。
- 口座振替対応。
- Wi-Fiスポットは充実。
- OCNユーザー200円引き。
OCNモバイルONEのデメリット
- 価格競争には消極的。
- 昼休みはやっぱり遅い。
OCNモバイルONEに向いている人向いていない人。
- 短めの電話を頻繁にし、特定の何人かで長電話になることがよくある人。
- スタバやタリーズ、モスなどでまったりする人。
- 多少の価格差は気にせず、使い勝手を重視する人。
- 固定回線のOCNを利用していて、特にこだわりのない人。
- ラジオや音楽ストリーミングサービスをBGM代わりに流す使い方をよくする人。
- わけあって口座振替で利用したいけど準キャリアは嫌な人。
こんな人にはOCNモバイルONEがオススメです。
口座振替はOCNモバイルONEの他に無条件で利用できるのは準キャリアのY!mobileとUQモバイルくらいです。
準キャリアで問題なければ口座振替だけでOCNモバイルONEを選択するのは良策ではないと思いますので、その他の利用状況で勘案したほうがいいでしょう。
一方、
- とにかく1円でも安くしたいという人。
- 昼休みにに速度が低下するのを許容できない人。
- 超電話魔でとにかく長電話が好きな人。
にはOCNモバイルONEをおすすめすることはできません。
1つ目の料金が最安帯ではないという点については、OCNモバイルONEは価格勝負となるとMVNOの中ではあまり強くありません。
「とにかく安く!」という人にはDMMモバイルなど価格で勝負しているMVNOが向いているでしょう。
↓DMMモバイルの公式ページはこちら
2つ目の、昼休みに起こる速度低下については、OCNモバイルONEに限ったものではなく、ほとんどのMVNOに共通して付随する弱点です。
そのため昼の速度低下を避けようと思ったら準キャリアである「Y!mobile」もしくは「
UQモバイル」しか選択肢はありません。
ちなみにY!mobileはソフトバンク回線、UQmobileはau回線ですので、利用電波の周波数帯が異なるdocomoのスマホ端末を継続利用が難しくなりますのでご注意ください。
そして電話魔の方はいっそスマホの他に通話専用のガラケーを持ってしまったほうがいいと思います。
フルのかけ放題で月2,200円ですから、これを超えるかけ放題サービスはMVNOにはありません。
その上でデータ専用のサブスマホを用意してそちらを安く上げるというのは良策です。

OCNモバイルONEの総評。
長々とOCNモバイルONEについて書き連ねて来ましたが、個人的な総評としては悪くないMVNOでおすすめに値する商品だと考えています。
使い勝手としてはかなりいい方で、キャリアからの逃げる先としてなんとなく選んでしまっても後悔することの少ないMVNOと言っていいかと思います。
他のMVNOと比べて尖った武器があまりないにもかかわらず契約者数では最多クラスですから、実際になんとなく選んで継続している人も多いと推測されますね。
逆に他のMVNOから、「昼休みに遅くなる」などの不満で流れて来た人にとっては不満は残る可能性が高いです。
OCNモバイルONEでも昼に遅くなる不満は解決されないどころか更に悪くなるケースもありますから。
そして、大手にもかかわらずトリッキーなかけ放題プランがありますので、そのニッチな通話環境にビシッとハマる人にはこの上ないMVNOになるでしょう。
以上です!
