「格安SIM」とか「格安スマホ」という単語を聞いたことがあると思います。
しかし、結局どういう仕組みで安くなっているのか、今までの携帯キャリアと何が違うのかよくわからない方は多いのではないでしょうか。
今回はその基本となる考え方である「SIM」と「端末」を分けて考えることについて書いていきます。
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携帯電話キャリアの窓口では聞かないことは教えてくれない。
基本的に携帯電話のキャリア(docomo、au、ソフトバンク)は、なるべく顧客に知識を与えないようにして商売をしています。
何も知らない状態でショップに行っても、SIMが何なのかということは聞かなければ教えてくれませんし、あたかも端末(スマホ本体)と一体であるかのような売り方を基本としています。
まず電話代を安くするためには、SIMと端末は分けて考えて下さい。
ショップの言われるままに諸々セットで契約してしまうと、払わなくても良いお金を払わされるだけではなく、2年縛りという呪いをかけられてしまいます。
SIMと端末それぞれ自分に合ったものを選ぶというのが、電話代削減の第一歩だと思ってくだされば幸いです。
以下ではSIMと端末それぞれについて基本的な説明をしていきますね。
それがまたややこしくしてるよね。
一緒くたになるのも無理はないよな。
スマホ本体と、使用時にセットされているSIMは別物。
この2つを分けて考えることが通信費削減には重要。
そもそも「SIM」って何??
SIMというのはこれです。

スマホを開くか、側面のトレイを開くと出てくる小さなチップです。

これは携帯電話の電波を受信するための識別チップで、これがないと基本的に電話をかけることはできません。
SIMの契約≒電波の契約 と考えて差し支えありません。
※データ通信やIP電話であればWi-Fiで行うことは可能です。
キャリアや格安SIMの会社(MVNO)との契約はこのSIMの契約がベースとなっています。
極端な話、自分でスマホを用意してドコモショップにSIMの契約をしに行くことも可能です。
端末を持ち込んでのSIM契約は可能ですが、異なるキャリアの端末ではSIMロックや電波周波数の関係で通話や通信ができない場合があります。
そのため、通品費削減はSIMフリーまたはdocomoのスマホを(主にdocomo回線の)MVNOで利用することが基本となり、キャリアショップへの持ち込み契約は初心者にはおすすめできません。
スマートフォンの端末は単体で買えて値段もピンキリ。
キャリアでスマホ端末を買う場合、なんだかんだで8万~10万の端末を買わされることが多いような気がしませんか?
同じ10万出すならということでiPhoneの新機種にしている層が私の周りには多くいます。
キャリアの契約では月額から端末代の一部または全部を割引することで実質の負担がないように見せかけ、高い機種をうまく売りつけています。
その割引の原資は高い電話代から出ているんですが。
そういった層の中には、「スマホは本来それくらいの値段なんだ」と思い込んでいる人も多くいるでしょう。
しかし実際にはそんな事はありません。
家電量販店のスマホコーナーにも普通に2万円程度のスマホが売られていますし、ネット通販などでは1万円台のスマホも買うことができます。
キャリアの販売員のほうが目立ってしまうからね…。
もちろん3万円のスマホ端末よりも10万円の端末のほうがスペックは高いです。
でも10万円のスマホを買うのは、そのスペックがあなたに必要なものなのか考えてからでも遅くはありません。
って人に10万のスマホは無駄だよな。
ちなみに最新のiPhoneにこだわることを悪しざまに言っている記事はこちらですのでよろしければご覧ください。

スマホに関して、あなたには選ぶ権利がある。
選ぶ権利を隠して儲けているのが携帯キャリア。選択肢は実はたくさんある。
上述したように、我々消費者はSIMと端末をそれぞれ選ぶことができます。
決してセットで買わなければいけないものではないんですね。
それを出来うる限り隠してセットであると思わせ、割引を餌に2年縛りを強いているのが携帯キャリアというわけです。
そして我々には、自分に合ったSIM契約、自分に合ったスマホ端末を選ぶこともできるんですよ。
決して家族で分け合う大量パケットパックが必須ではありませんし、10万円のスマホしか売っていないわけではないんです。
SIMであれば月3ギガで1,000円弱の安いプランを選ぶことも出来ますし、どうしても家族で分け合いたければキャリアを選ぶこともできます。
端末だって使えればいいレベルの安価なスマホを5年使ったっていいんです。
高級スマホに愛着を持って長く使うのもいいでしょう。
2年で買い替えなければ損をするというのはキャリアが作り出した幻想です。
私のメインスマホは買ってから3年近く経ちますがまだまだ現役です。
消費者にある選択肢の例
選べるSIM契約はキャリアよりも多岐にわたり、スマホの利用環境に応じてプランを選ぶことができます。
例えばデータ通信の利用量に応じて以下のような料金体系から選べます。
データ通信量 | 料金目安(データのみ) | 料金目安(通話つき) |
1GB/月 | 500~600円/月 | 1,200~1,400円/月 |
3GB/月 | 850~1,100円/月 | 1,500~1,800円/月 |
5GB/月 | 1,200~1,600円/月 | 1,900~2,300円/月 |
10GB/月 | 2,200~2,600円/月 | 2,800~3,300円/月 |
20GB/月 | 4,000~4,500円/月 | 4,700~5,500円/月 |
30GB/月 | 5,300~6,500円/月 | 6,000~7,000円/月 |
※金額はすべて税抜です。
通話に関してはかけ放題ではなく、基本的に30秒につき20円です。
電話代は高いですが、これを半額に下げることもでき、制限付きながらかけ放題のオプションなどを用意しているMVNOもあります(今回は触れません)。
もしあなたが、「電話なんてLINE通話で充分。動画もそんなに観ないし」ということであれば、月々1,000円程度でスマホを持ち続けることも充分に可能なんです。
もちろんMVNOには、昼休みに速度が遅くなったり、窓口がないなどのデメリットはありますが、それも含めて携帯電話の会社を選ぶ権利は消費者にはあるのです。
SIMと端末は分けて考えよう、のまとめ
- お店では教えてくれないが、携帯電話は2つのパーツで成っている。
- SIMカードと端末、それぞれを別の契約として考えよう。
- SIMはスマホの中にセットするチップのこと。
- 「SIM契約≒電波の契約」という認識でほぼOK。
- 携帯電話契約のベースはこのSIM契約。
- スマホ端末は必ずしもセットではない。
- 端末は量販店などでも実は買える。
- キャリアのショップでは別物であることを隠してセット売りしている。
- セット、割引でごまかして2年縛りの呪いもかけてくる。
- MVNO(格安SIM)ではデータ通信量に応じた料金体系を用意している。
- 我々消費者には選ぶ権利があり、キャリアによってそれが隠されていた。
- 与えられるだけじゃなく選んでいこうぜ!
今回はさらっと基本の基本について書いてみました。
「何だこの記事当たり前のことを偉そうに」と思った方も多いかもしれません。
ただ、「SIMと端末の概念は別」ということを考えたこともない人って結構多いような気がするんですよね。
正直、私は20年前から携帯電話を持っていますが、このことを知ったのはここ3年くらいの話ですからね。
格安SIMとかに興味はあるもののイマイチよくわかっていないという方の中には、この概念を知らないまま進もうとして挫折している層もいるかも知れません。
この記事がそういった方の背中を押すことになれば幸いでございますよ。
以上です!
