今回は3級ファイナンシャル・プランニング技能士試験、リスク管理分野の第7回です。
前回までは生命保険商品(第1分野)と損害保険商品(第2分野)について解説しました。
今回はそのどちらにも属さない「第3分野」の保険商品について解説していきます。
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「第3分野の保険」とは?
既に上で述べてしまいましたが、「第3分野の保険」とは、第1分野である生命保険や第2分野である損害保険に分類されない、いわば「その他の保険」という位置づけです。
具体的には病気や介護などに備える保険などが該当します。
例によって種類がいくつかありますのでそれぞれ見ていきましょう。
第三分野の保険商品。
病気やケガでの入院に備える「医療保険」。
病気やケガによって入院したり手術を受けた場合の出費に備えることができるのが「医療保険」です。
確かに偶然の事故などでケガをした場合には傷害保険の対象となるのですが、医療保険に関しては「実際に治療を受けた事実」というのが保障のトリガーとなり、その原因についてはあまり訴求しないのが特徴と言えます。
なので医療保険では、病気であろうがケガであろうが、その原因が偶然の事故であろうがなかろうが補償の対象になるということですね。
それは助かるな。
医療保険においては具体的には、「入院1日につき◯円、手術1回につき◯円」といった保障を受けられます。
ただし1回の入院につき支払い日数の限度が決まっていたり、通算での支払い日数に上限があったりするのでご注意ください。
なお、退院してから180日以内に同じ病気やケガで再度入院した場合はなぜか最初の入院と合算して1回の入院としてカウントされます。
例えば、1回の入院での支払い日数の限度が60日の医療保険に加入していたとします。
とある病気で40日間入院して退院後、180日以内に再発して再入院した場合は20日分しか支払いが受けられす、それ以降の入院は保障がなくなって全て自腹になります。
ちなみに医療保険は単体での商品もありますが、生命保険の特約として設定されることもよくあります。
単体商品と特約の両方があることは覚えておくといいでしょう。
そして、治療方法の中には健康保険などが適用できず全額自己負担となって高額療養費制度も使えない「先進医療」というものがあります。
医療保険にはその先進医療にかかる治療費をカバーする「先進医療特約」という特約がありますのでそちらも押さえておくといいでしょう。
治療時点でその治療が「先進医療」として認可されている治療に限ります。
あと、主契約ががん保険ならがんの先進医療など、適用範囲にも制限がありますよ。
がんに特化した「がん保険」。
「がん保険」はまあ医療保険の一部といえば一部ではあるのですが、その中でも癌の闘病保障に特化した保険です。
具体的な保障は、
- がん診断時に支払われる「がん診断給付金」
- がんでの入院に対して支払われる「がん入院給付金」
- がんでの手術を受けたら支払われる「がん手術給付金」
などがあります。
通常の医療保険と違う点としては、
- がん以外の病気は保障対象外。
- 入院給付金の支払い日数が無制限。
- 保険加入後90日間の免責期間がある。
という点が挙げられます。
がん以外は対象外というのはがん保険なので当たり前ですね。
そしてがんの闘病は長期戦になることがよくあるため、通常の支払日数上限では使い物にならないため日数制限は設けられていません。
免責期間は簡単に言うと「加入からその期間は保険金の対象になりません」ということです。
がん保険の場合は90日間ですので、契約から90日以内にがんを診断されても保険金や給付金が下りないということになります。
隠して加入とかできないんじゃないの?
潜伏から発見できる状態に進行するまでだいたい90日くらいかかるんだってさ。
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寝たきりに備える「介護保障保険」。
歳を取って寝たきりや認知症で介護状態になったときのために備える保険を「介護保障保険」といいます。
介護保険では寝たきりもしくは認知症の症状が一定期間続く場合に給付金が支払われます。
ここで覚えておいたほうがいい用語としては、
- 公的介護保険の要介護度を基準にして給付金が出る「連動型」
- 保険会社独自の基準で給付金が出る「非連動型」
の2種類です。
もし加入する際には、特に非連動型の場合は給付基準をよく調べておくことをおすすめします。
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働けなくなったときに備える「所得補償保険」。
病気やケガなどで働けなくなったときに、もらえなくなった賃金の補填をしてくれるのが「所得補償保険」です。
所得補償保険は入院に限らず在宅療養などでも対象となりますが、就業不能であることを医師の診断にで証明する必要がありますので、シンプルに仕事をやめただけでは対象とはなりませんのでご注意ください。
個人的には自分で備えてお金貯めてたほうがマシなレベルの保険と思っていますよ。
第三分野の保険商品まとめ。
- 生命保険や損害保険に分類されないその他の保険を第三分野の保険という。
- 第三分野の保険には「医療保険」「がん保険」「介護保険」「所得補償保険」などがある。
- 医療保険は傷害保険よりもカバー範囲が広く、病気での入院も対象。
- がん保険はがんに特化した医療保険。
- がん保険の免責期間は90日。
- 介護保険には対象範囲が公的保険に依る「連動型」と会社が独自で設定している「非連動型」がある。
- 所得補償保険は病気などで働けなくなった人の収入を補填する保険。保険料高い。
こんな感じです。
ほとんどが暗記もので3級で問われるものもそう多くはないので今回は短めの記事になりました。
次回は保険と税金の関係について解説していきます。
税金はどこに行っても絡んできて鬱陶しいのですが、それだけお金の話と密接で問題も作りやすいということでもありますのでしっかり頑張っていきましょう。
以上です!
