今回の記事は、パソコンを自分で組みたくて軽く調べたけど落とし穴とかが不安で踏み切れない方向けに書いていきます。
基本的には調べた通り組んでいけばそうそうハマることもないのですが、私自身が1つ大失敗をしてしまったことがありますのでそのお話です。
Contents
初めて組むならミニタワー以上のケースが吉。
これはパソコンを組んだことのない人に見られる傾向なのですが、無駄にスリム型にこだわる人が結構います。
私が初めて組むときもスリム型にしようと考えていましたが、パーツショップの店員さんに説得される形でスリム型を諦めてミドルタワーにした経緯があります。
確かに家電量販店でパソコンを買う際には、ゲーミングPCを除いてほとんどがスリム型です。
メーカー製のスリム型パソコンに慣れたライトユーザーにしてみれば、バカでかいパソコンには違和感バリバリというのは確かです。
「何に使ってんの?」って思う。
正直普通の人の中でのパソコンのデフォルトはスリム型だと思います。
でも誤解を恐れずに言うならば、本来パソコンはでかいのがデフォルトなんです。
それを無理くり小さくしたのがスリム型だと考えて差し支えありません。
自作パソコンを組む際、特に初めて組む方はスリム型にこだわると最悪組み上がらない可能性まであります。
どうしてもスリム型でなければいけない理由や信念がある方はその限りではありませんが、自作でパソコンを組む場合、特に初めての方にはスリム型をおすすめすることはできません。
その理由を私自身の失敗談を絡めて解説していきますので参考になれば幸いでございますよ。
ちなみにケースタイプには他にキューブ型などトリッキーなものもありますが、こちらは私も組んだことがありませんし、スリム型よりさらにいじりにくいのは明白なのでこの記事では完全に無視しています。
あの手のトリッキーなPCは上級者の趣味と思っていいでしょう。
自作パソコンにスリム型をおすすめしない理由。
スリム型をおすすめしない理由は大きく分けて2つです。
- 取り回しが最悪。
- スペックが頭打ちになる。
これについてそれぞれ見ていきますよ。
スリム型はとにかく組みづらい。最悪組めない。
当たり前の話ではあるのですが、スリム型は通常の大きさに比べてケースがかなり小さいです。
そのため組むときもメンテナンスするときも拡張するときも、とにかく作業スペースが狭くて大変です。
最初に組むときは、パーツを取り付ける順番を間違えると後から取り付ける部品が入らなかったりするため、一旦全部外して取り付け直しとかもザラにあります。
メンテナンスや拡張の際も、中が狭いためケーブル類があらゆる部品に干渉して邪魔になります。
部品は精密機械なので下手に押し込むこともできず、コードの位置を邪魔にならない位置に移動させるのも一苦労です。
私がやらかした一番の失敗は、
「マザーボードと電源の配置が近すぎて取り付けが不可能だった」
というものです。
スリム型のPCケースは電源が付属していることも多いのですが、私は付属電源の信頼性に不安を持っていました。
付属電源自体は取り外しも可能なため、私は別途電源を購入して付け替えることを画策します。
そしていざ組んでみると、「電源のプラグイン部分がマザーボードにバッチリ干渉して取り付けができない」ことに気づきます。
取り付けができない主な理由は、新たに買った電源がプラグイン型(ケーブル取り外し可能)の製品のため、そのプラグインの分だけ幅を取る仕様になっていたためでした。
どうしても付属電源を使いたくなかった私は、結局ケースと電源の両方を買い換える羽目になってしまい、ケース、付属電源、プラグイン型電源がすべてお蔵入りとなりました。
自作パソコン自体は初めてではなかったのにスリム型を組んだ途端この有様です。
今はネットで部品を取り揃えることも多いかと思います。
そのときにこういった失敗をしないためにも、特に初めてパソコンを組む方はスリム型は避けたほうが無難です。
スポンサーリンク
スリム型だと高画質のゲームが遊べない可能性が高い。
パソコンを使って高画質のゲームをしようと考えている方がいたら、スリム型は絶対に避けたほうがいいです。
というのも、スリム型のパソコンではゲームなどを描画するグラフィックボードの選択肢が極めて限られてしまうからです。
グラフィックボードは、
- グラフィックカード
- グラボ
- GPU
などいろいろ呼ばれますが全部同じものと考えて差し支えありません。
厳密にはGPUをマザーボードに挿せる形にした製品がグラフィックカード・グラフィックボード(のはず)ですが、GPU単体で使うことはないので気にしなくてOKです。
GPUはCPUに内蔵されていることもあるので、GPU内蔵型のCPUを購入すれば別途グラフィックボードを買わなくても動くので、ゲームをしないのであれば内蔵型CPUでグラボなしで運用は可能です。
あと、高性能のグラフィックボードは価格がバカ高いので用途に応じて必要なスペックを調べて適切な製品を選ぶようにしましょう。
極めて軽いゲームをする程度なら安物で充分です。
CPU内蔵型のGPUは仕事でパソコンを使う分には特に不自由することはありませんが、ある程度高画質のゲームを遊ぼうとすると画面がカクついてストレスが溜まります。
Intel CPU内臓のグラボではガクガクでストレスマッハでした。
というわけで新たにスリム型PC用に購入したグラフィックボードは「GTX 1050Ti」搭載のものです。
このグラボは現在であれば下の中くらいのスペックで、それでも信長の野望 創造 でカクつくことはなくなりました。
私がやっていたのは古いゲームですのでこれくらいのスペックがあれば充分でしたが、最近の高画質なゲームをしようと考えているのであればこれでは性能が足りない可能性が高いです。
似たようなゲームでも求めるグラフィックは上がり続けているみたいです。
より高画質のゲームをやろうとすると私が買ったGTX 1050Ti より上位のグラフィックボードを挿さなければいけないのですが、スリム型で上位となるとRTX4060(中の中)程度のものしか積めなくなってしまいます。
スリム型PCに取り付けることができるグラフィックボードは「ロープロファイル対応」と呼ばれます。
どうしてもスリム型でグラボを挿したいという方は覚えておいて損はないかと思います。
つまり、ゲームなどを行う描画処理においては、スリム型PCの限界がミドルスペック程度にほぼ決まってしまっているということになります。
対してスリム型ではない通常のグラフィックボードでは「RTX4070~4090」といった上位モデルがちゃんと存在します。
40万円のグラボを買うかどうかは別として、もしあなたがこの先高画質のゲームで遊びたいと考えているなら、上限がほぼ決まっているスリム型よりも差し替えで伸びしろのある大きめのPCを組んだほうがより良いゲームライフを送れるのではないでしょうか。
グラボ以外も排熱が絡んでパフォーマンスが抑えられることも。
ゲームをしなければグラフィックボードはそれほどの性能を要求されることはあまりありません。
ではゲームさえしなければスリム型で全く問題ないかというと必ずしもそうはいかないというのが難しいところです。
例えば動画編集をする場合、昔は多くの場合はそれほどハイスペックなGPUを要求されることはなく、どちらかと言えばCPUやメモリの性能が重視されることが多かったのですが、最近ではGPUの処理性能がしっかり求められるようになりました。
上で述べたGPUの限界もそうなんですが、CPUだけを見た場合であっても、性能が上がるに連れて発熱も大幅に増えていきます。
そしてその熱を排出するためには外気との入れ替えが重要な要素になってくるわけです。
スリム型のPCはいついかなる時も狭いのが悩みの種ですので、ケースからの排熱に関しても通常型のケースに比べてスリム型は著しく不利です。
そもそもパーツとケーブルをケース内に収めるだけでも一苦労のスリム型ですから、通常型のケースと同様の排熱効果を期待するのは荷が重すぎます。
CPUに負荷をかけすぎると排熱が追いつかず、作動温度を超えてしまい結局パフォーマンスが低下するという憂き目に遭うことは想像に難くありません。
別売りのCPUクーラーを購入して排熱性能を上げるという手もありますが、ケーブル類がゴチャゴチャしているとその効果も限定的ですし、そもそもケースの幅が狭すぎてクーラーを付けたらケースの蓋が閉まらないなんてこともあり得るわけです。
ゲームをしなくても、動画編集など負荷の高い作業を視野に入れてPCを組むのであればスリム型は避けるべきと言えるでしょう。
スポンサーリンク
自作初心者はスリム型にこだわってはいけない話まとめ
- 自作しない人はスリム型のPCがデフォルトと思いがち。
- かさばらないのが魅力というのは理解できる。
- しかしスリム型のデメリットは想像以上に大きい。
- とにかくケース内が狭すぎて組みにくい。
- 高画質ゲームに必須のグラボ性能の上限が抑えられてしまう。
- 排熱性能が低く、こもった熱でパフォーマンスが下がる恐れがある。
こんな感じです。
とかく自分でパソコンを組んだことのない人は大きいパソコンを敬遠する傾向が顕著です。
しかしある程度の大きさがないとデメリットが大きすぎるのでスリム型は一切おすすめできません。
よく、「スリム型は拡張性に難がある」という書かれ方をしますが、それ以前に組むのもいじるのも大変なんですよ。
組まないからそういうことが平気で言える。
でもとにかく増改築が大変なのよ。
信長の野望で言うと支城だけで内政するイメージ。
もしあなたがパソコンを組むにあたって、「大きめのパソコンを設置してしまうと寝る場所にも困る」というほどスペースが逼迫しているのであればスリム型にするしかないでしょう。
しかしそんな場合を除いてスリム型が優位性を持つことはほとんどありません。
もしこれから自作パソコンを組もうと考えているのであれば、スリム型にこだわることに意味はないということだけは知っておいていただきたいと思います。
以上です!