自作PCを組むに際して、一番難解で迷うのがマザーボードと言っても過言ではありません。
今回は初めて組む方向けにマザーボードの選び方を説明していきます。
例によって初心者の方、特に初めて自作PCを組む方向けに書いていますので難しいことは極力省いています。
そのため細かいところをツッコむのはなしの方向でお願いしますね。
あと、個人的な趣向や偏見も多分に含まれていますのでその辺を差し引いてご判断くださいね。
Contents
マザーボードは各パーツの統括部門なので一番難解。くじけないで!
パソコンの構造上、マザーボードは他のほぼすべてのパーツとつながっています。
そのため各パーツと規格を合わせていかないと完成しません。
自作PCを考えてもマザーボードで訳がわからなくなって挫折する人も多いでしょう。
マザーボードは一発で決めようと思っても覚えることが多すぎて無理です。
ですのでポイントを決めて少しずつ製品を絞っていくのが王道です。
絞るポイントをざっと挙げていくと、
- 大きさ(フォームファクター)
- ソケット型
- チップセット
- 拡張性
などがあります。
「拡張性」は自作PCを組む上でよく出てくる単語の割にぼやっとしていてよくわからないかもしれませんが、簡単に言うと「あとから欲しくなった機能を追加できる伸びしろ」みたいなものと思ってください。
決めることが多いと言ってもパソコンのパーツ規格は数が決まっています。
ですので諦めずに1つずつ地道に規格を絞っていけばちゃんと決定できますから諦めずに至高の1台を見つけましょうね!
まずマザーボードを選ぶ前に決めておかなければいけないことがあります。
それは、
- どのサイズのPCを組むか
- CPU
- オプションで積みたいもの(グラボなど)があるかどうか
あたりです。
CPUはマザーボードを選び始める前に決めておいたほうがいいです。
というかCPUを決めておかないと選びようもないというのが実情です。
もしCPUを決めあぐねているという方は下の記事をご参照ください。

大きさについてはこの時点でケースを確定させている必要はありませんが、どのサイズのケースで組むかだけはある程度決めておきましょう。
大きいサイズのマザーボードを決め打ちしてしまい、あとになってやっぱり小さめのケースで組むとなると選び直しになってしまいますので…。
オプションについては、あとから積む可能性のあるものに合った差込口を搭載しているかどうか、ということです。
あとからグラフィックカードが欲しくなってもマザーボードに差込口がなければどうしようもありませんので、ここもぼんやりでいいので考えておきましょうね。
それでは各ポイントを1つずつ見ていきましょう。
マザーボードの大きさはPCケースのサイズで決める。
大体「ATX」か「micro ATX」の二択。
マザーボードの大きさにはいくつか種類があります。
- ATX
- micro-ATX
初めて自作PCを組む方は上記2つを覚えておけば問題ないでしょう。
他には小型PC向けの「mini-ITX」や、サーバー向けで大型の「Extended-ATX」などいろいろありますが、初めての方は特に選択肢に入れる必要はありません。
もしこの先「どうしても手のひらサイズのPCを組みたい」という時が来たら思い出せばいいと思います。
ATXはミドルタワー以上の大きさのケースを想定したやや大きいサイズのマザーボードで、標準規格が305mm×244mmとなっています。
一部ミニタワーでも取り付けられたりしますが、基本的にミドルタワーやフルタワーに搭載するものと思ってください。
かさばる分拡張性に優れていて、あとから機能を追加したいと思ったときには大体のものを足すことができます。
マザーボード市場では1番人気と言われていますよ。
そしてもう一つのmicro-ATXはミニタワー以下のPCケースを想定していますが、ミドルタワーでもmicro-ATX用のネジ穴がついていることが多いのでミドルタワーのPCケースにこちらを載せている人もいます。
標準規格は244mm×244mmと正方形になっています。
こちらはATXに比べて小さい分拡張性に劣りますが、普通にグラボなどのオプションを増やす程度であれば対応している製品がほとんどです。
拡張性に劣る分少し安く、マザーボード市場では2番人気です。
その他の規格については初めて組む人にとってはほぼ選択肢に上がってくることはないと思いますので思い切って省きます。
- ミドルタワーで組むならATXだがmicro-ATXでも割と可。
- ミニタワーもしくはスリム型で組むのであればmicro-ATX一択。

ミドルタワーでmicro-ATXは一見無駄なような気もしますが、スペースが増える分取り回しが楽になったり冷却性が良くなったりと地味なメリットもありますので選択肢に入れるのも悪くないと思いますよ。
ただし、積みたいオプションに対してスロットがギリギリの場合、グラフィックカードがスロットに干渉して積めないというパターンもあるのでいろいろ積みたい方は注意しましょう。
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載せるCPUでマザーボードを絞る。
これは間違えると大変なので慎重に!
大きさが決まったら次は使用するCPUでソケット型が決まるので、そのソケット型で製品を絞っていきます。
「ソケット型」といきなり言われてもピンとこないかもしれませんが、簡単に言うとCPUの設置面の形のことです。
外国の電化製品が日本のコンセントには挿し込めないのと同様に、ソケット型が異なるとCPUをマザーボードに設置することができません。
間違えると完成しなくなりますが、それほど種類が多いわけではないので抑えるところを抑えておけばOKです。
ソケット型は大きく分けてIntel製CPUかAMD製CPUかで大体絞れてしまいます。
それぞれどのソケット型を使えばいいのかについて説明していきますよ。
Intel製CPUのソケット型は主に「LGA1151」だが少し注意が必要。
使用するCPUがIntel製の商品の場合、多くの方は第8~9世代CoreシリーズからCPUを選ぶと思いますので、これに対応するソケット型は基本的に「LGA1151」と「LGA2066」の2種類です。
Core i7とCore i9の一部が「LGA2066」ですが、ハイスペックPCを組むのでなければ「LGA1151」が基本となるでしょう。
その他のソケット型は古いCPU対応ですのでこれからCPUを買うという方は無視して構いません。
ただし、実は「LGA1151」には、第6~7世代のLGA1151と第8世代以降のLGA1151の2種類が存在します。
そしてタチの悪いことにこの2つに互換性がありません。
うっかり確認せずに買ってしまうと古いマザーボードを掴まされて動かないということがありますので気をつけましょう。
一般的には第8世代以降のLGA1151は、それ以前のLGA1151との比較で言及されるときは「LGA1151 v2」と呼ばれて区別されることが多いです。
見分け方については発売時期などいくつかありますが、実は商品名を見るだけで区別できてしまいます。
これ関しては後述するチップセットの項で触れますので、とりあえず今はLGA1151とだけ覚えておけばOKです。
AMD製CPUのソケット型は「AM4」
AMD製のソケット型は単純で、「AM4」一択と考えて差し支えありません。
Ryzen Threadripperでは別の規格もありますが、こちらは個人用の自作PCでは一般的ではないので無視して構いません。
AMDの製品であればごく一部の超ハイスペックCPUを除き全て「AM4」です。
ただしチップセットが最新世代Ryzenに対応していないパターンもあるので、これの対応もチップセットの項で説明します。
とりあえず今は「AM4」だけ覚えておいてくださいね。
チップセットの種類で絞る。
いくつかあるけど初心者が選ぶべきものはだいたい決まってるよ!
そもそもチップセットって何ぞ?
さて、マザーボードをチップセットで選ぶと言われてもわけがわからないかもしれませんのでチップセットとは何かをごく簡単に説明しておきます。
チップセットはパソコンの演算装置であるCPUとその他の周辺機器をつなぐ役目を担う装置と思っていただければいいと思います。
CPUと周辺機器ではいろいろ異なる部分があり、その仲介役を担うのがチップセットです。
ですのでマザーボードには必ずチップセットが搭載されており、そのチップセットの種類によってできることやできないことが決まってくるわけですね。
要はいろいろできるチップセットとそうでないチップセットがそれぞれあり、当然ながらいろいろできるチップセットを搭載しているマザーボードは値段が高くなります。
ですので自分に必要な機能を把握してからチップセットを決めてマザーボードを絞るというのが無駄のない選び方になるわけですね。
とは言っても正直な話、一度に流通するチップセットは何十種類もあるわけではありませんし、ましてや初めてPCを組む初心者が選ぶべきチップセットというのはある程度限られています。
各パターンに分けて簡単に説明していきますのであまり難しく考えずにお読みくださいね。
Intel製のCPUの場合、迷ったら「B365」で特に問題なし。
Intel製のCPUに対応したチップセットの中で現在主流なのは、
- Z390 → 全部乗せ。オーバークロック対応。高い。
- H370 → USB3.1 Gen2に対応。ちょっと古い。
- B365 → 機能性それなり。
- H310 → 安さ重視で拡張性に難あり。
といったところです。
上記の他にもZ370やB360などがありますが、新たに発売されたZ390やB365がほぼ上位互換となっているためこれから買うメリットは特にないと言っていいかと思います。
そして初めて組む方が選ぶとすれば「B365」にしておけば問題ないかと思います。
Z390だけの機能としてCPUのオーバークロックがありますが、どうしてもオーバークロックしたいという方でなければ特にこれを選ぶ意味はありません。
オーバークロックとはCPUの性能を引き上げる機能で、CPUのクロック周波数を限界を超えて引き出すことができます。
パソコンの性能が上がるので、ハイエンドのCPUを載せて更に上を目指す場合には有効かもしれませんが、ミドルレンジのCPUでオーバークロックを行う意味は個人的にあまりないと考えています。
高負荷で寿命縮まりそうですし…。
ですのでハイエンドCPUでどうしても限界を超えたいという方以外にはZ390は高いだけですのでおすすめする理由はありません。
次に「H370」ですが、こちらはB365にはないUSB3.1 Gen2対応という機能があります。
USBで繋ぐ機器の速さを求めるのであれば選択肢に入りますが、H370の中(初期ロットなど)には第9世代以降のCPUに対応していない製品があります。
そして対応しているかどうかはパッと見で判断がつきません。
対応していない製品はBIOSアップデートで対応させることが可能ですが、正直初めての自作PCでBIOSアップデートというのは荷が重いです。
まあ多分これから買うマザーボードであれば大体対応しているとは思うんですが、長く在庫になっていた商品を掴んだりすることもあるので確証がありません。
というわけでどうしても速いUSBを求めるのでなければ今からH370というのはおすすめできません。
「H310」はとにかく安くあげたい人向けのチップセットです。
拡張性に乏しいのであとからオプションを付ける場合に大きな制約になります。
「Celeronで安いの組むし何も追加しないよ!」という方であれば選択肢に入るかもしれません。
以上の理由から、初めて自作PCを組む方には「B365」のチップセット搭載のマザーボードをおすすめする次第でございますよ。
ソケット型の見分け方は商品名で一撃看破できる話。
さて、ソケット型の項で保留にしていた「LGA1151」は見た目が同じでも2種類あって互換性がないので間違えないでね」の話に戻ってみます。
なぜチップセットの項でこの話に戻るのかですが、それには2つの理由があります。
- チップセットで使えるCPUが決まってくる。
- 搭載しているチップセットの名前がマザーボードの商品名に含まれている。
というのがその理由です。
Intelの場合、上で紹介したチップセットは第8~9世代に対応しています。
これからCPUを買おうかという方は、(第10世代ハイエンドCPUを買う予定の人を除き)おそらく第9世代(一部第8世代)の中から選ぶことになります。
チップセットの名前の中にある、アルファベットに続く数字の百の位がチップセットの世代をざっくり表しています。
そして数字が300番台のものが第8~9世代のCPUに対応しているんですね。
マザーボードを選ぶ中でその300番台以外のもの(主に200番台もしくは100番台)が商品名に含まれていた場合、買う予定のCPUとソケット型が合致しないのがわかってしまうことになります。

上のマザーボードは「ウルトラゲーミング」と大層な名前がついていますが、商品名に含まれるチップセット名が「Z270」とあり、古い型のチップセットを載せています。
内容をよく読むと「Intel第6~7世代CPU対応」と書いており、当然ながら最新のCPUには対応していません。
チップセットが合っていないのにソケット型が対応ということはありません(仮に合っていてもチップセットが対応していないと動きません)ので、要はチップセット名を見て合っていれば自ずとソケット型も一致するということです。
一方のAMD製CPUのソケット型はAM4一種類だけなのですが、こちらはチップセットが使いたいCPUに対応していない場合があります。
AMD製チップセットは次項で説明していますが、こちらも商品名にチップセット名が記載されていますので間違えないようご注意ください。
ソケット型だけで商品を絞ろうとすると古いものが紛れ込んでも気づきにくいので、マザーボードを絞る際はチップセットをしっかり気にしましょう、というお話でした。
AMD製CPUの場合は迷ったら「B450」で充分。
さて話はチップセット選びに戻ります。
AMD製CPU対応のマザーボードに搭載されている主なチップセットは、
- X570 → ハイスペック。PCIe4.0に対応。
- X470 → ハイスペック。ちょっと古い。
- B450 → ミドルスペック。
などがあります。
Intel製のものと同様にアルファベットに続く3桁の数字の百の位が世代の新旧を表しています。
上記の他にA320などの廉価版がありますが、こちらは第3世代Ryzenに完全非対応のため外しています。
上に挙げた中で最新で最もハイスペックなのが「X570」です。
こちらはPCI-express(PCIe)の規格が最新の4.0に対応している唯一のチップセットです。
そしてハイスペックゆえにお値段もハイプライスです(16,000円程度~)。
どうしてもPCI-expressの速度に妥協できないという方はこちらも選択肢に入りますが、PCIe4.0は今のところ次世代の規格ですのでもう少し価格が小慣れてきたころに買い換えるほうがいいのではないかと個人的には思います。
他の特徴としては第1世代Ryzenに対応していないというのもありますが、これからCPUを買う方のほとんどは第3世代(一部第2世代)のRyzenを買うでしょうからここはあまり気にしなくていいでしょう。
残る2つ「X470」と「B450」の比較ですが、X470のほうができることが多い分値段は高くなっています。
X470搭載のマザーボードが12,000円~3万円程度なのに対し、B450搭載のものは7,000円~2万円程度となっています。
性能面の違いでは、
- X470はSLI対応だがB450では無理。
- X470はUSB3.0Gen1の対応ポート数が6つなのに対しB450では2つしかない。
などがあります。
SLIとはGeforceシリーズのグラフィックカードをを2つ挿して処理能力を上げる技術ですので、超ハイスペック機を組んで超高画質ゲームをやるような人が使います。
もし超高画質ゲームをする予定なのであれば選択肢に入らないこともないですが、普通の人にはまず必要ありません。
ちなみにGeforceではなくRadeonシリーズのグラフィックカードを2枚挿す「CrossFireX」の方ならB450でもCrossFireX対応のマザーボードであれば可能です。
USB3.0 Gen1はUSB2.0に比べて転送速度が速い接続規格です。
X470とB450の両方とも更に速いUSB3.1 Gen2が2つ搭載されているため、B450でも3.0 Gen1以上が合わせて4つ搭載されていることになります。
どうしても速いUSBポートがたくさん必要な方を除き、B450で充分な方のほうが多いのではないでしょうか。
というわけで、AMD製のCPUを買う予定の方がマザーボードに悩んだ場合は、B450のチップセットを搭載したマザーボードで絞り込むのをおすすめしますよ。
そしてAMD対応のマザーボードも商品名にチップセット名が記載されています。
「AM4なのに動かない!」ということがないようにチップセット名はしっかり確認しましょうね。
ちなみにAMD向けのチップセットは基本的にオーバークロックに対応していますがオーバークロック必須の方以外は特に気にしなくて構いません。
Intel製CPUを買う予定の場合
- オーバークロックをしたいなら「Z390」
- とにかく安さを求めるなら「H310」
- コストパフォーマンスなら「B365」
AMD製CPUを買う予定なら
- 最新規格のPCIe4.0が必要なら「X570」
- Geforceグラボを2枚挿す予定、もしくは高速のUSBをたくさん使う予定なら「X570」か「X470」
- こだわりがなければ「B450」
チップセット名はマザーボードの商品名に書かれているのでよく確認しましょう。
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マザーボードを拡張性で絞り込むのには何を見たらいいのか問題。
自作PC界隈では「拡張性」の一言で片付けられてしまいがちですが、具体的には何を足していくのか初心者の方にはいまいちピンとこないかと思います。
マザーボードに挿すものは、PCを組む際に必要なメモリの他に、
- グラフィックカード
- サウンドカード
- TVチューナー
- SSD(M2)
などがあります。
他にもいろいろありますがまあこれらを覚えておけば充分かと思います。
これらを足したい(または最初からつけたい)場合にマザーボードに付ける場所がなければどうしようもありません。
ですのでこれらを挿す取付口(「スロット」と呼ばれます)がマザーボードに搭載されているかどうか、いくつ搭載されているかを確認して用途にあったマザーボードに絞っていく必要があります。
というわけで拡張性の肝となるスロットを絡めて絞るポイントを説明していきますよ。
メモリを挿す「メモリスロット」は4つ搭載のものが地味におすすめ。
まずはPCを動かすのに必須となるメモリのスロットの話です。
現在のメモリ規格は主流が「DDR4」となっており、他の規格(DDR3など古いもの)を買うメリットはありませんのでマザーボードのメモリスロット規格もDDR4搭載のものを選んでおけば問題ありません。
そして必要になるスロット数ですが、現在は同じ性能のメモリを2つ挿して相互作用で速度を上げる「デュアルチャネル」という方式が一般的になっています。
例えば4GBのメモリを2枚挿すと合計8GBとなりますが、8GBのメモリを1枚だけ挿すより処理速度が少し速くなるんですね。
そのため、メモリは2枚組で売られていることが多いですし、特にこだわりがなければ2枚組を買うことをおすすめします。
そして2枚組でメモリを買った場合、まず最初に組む段階では必要なメモリスロットは2つとなりますね。
そしてその後メモリの増強を考えた場合はどうでしょう。
例えば当初は4GB×2枚の8GB構成で組み、あとから少し物足りなくなって8GB×2枚を買い足したとします。
メモリスロットが2つしかない場合は当然ながら最初の4GBメモリ2枚を取り外して付け替えることになります。
そうすると付け替え後のメモリは16GBとなり、最初の2枚は使いようがなくなってしまいます。
一方、メモリスロットが4つあるマザーボードを選んだ場合、使っていない2つのメモリスロットは空いています。
ここに8GB×2枚のメモリを増設すればメモリの処理能力は24GBとなり、付け替えよりもスペックが上がることになりますね。
もし16GBもあれば充分ということであれば、メモリスロットが4つあれば買い足すメモリが4GB×2で済んでしまいますから増設のコストが浮きます。
最初に挿したメモリを活用できるという点でメモリスロットは4つあると地味に嬉しいので、「メモリスロットのスペースいらないから小さくしたい!」とか「メモリスロットいらないから他のスロットがもっと欲しい!」などのこだわりがなければ4スロットのものを選ぶといいですよ。
グラフィックカードを挿す「PCI-express×16」1個?2個?
CPU内臓のGPUを使わずにグラフィックカードを追加したい場合、当然ながらグラフィックカードを挿すスロットが必要になってきます。
現行のグラフィックカードはほとんどの商品が「PCI-express×16」での接続となっていますが、大抵のマザーボードには最低1つはこのスロットが搭載されています。
ですのでグラフィックカードを1枚挿すだけでそんなにゴテゴテ積まないという方は、PCI-express×16のスロットがあることだけを確認しておけばとりあえず問題ありません。
ただ、上で少し出てきた「SLI」や「CrossFireX」を利用してグラフィックカードを2枚挿す方は少し注意が必要です。
PCI-express×16スロットが2つ以上あるのはもちろんですが、「SLI対応」や「CrossFireX対応」のマザーボードを選ばなければちゃんと動きません。
厄介なことに、マザーボードの中にはPCI-express×16スロットが2つあるのにSLIやCrossFireXに対応していない商品もあります。
ですのでそれらに対応しているかどうかはちゃんと確認しましょうね。
そして特にSLI対応のマザーボードは非対応のものより価格は高いです。
ざっと見た感じでは最低25,000円くらいはするようですね。
いろいろ挿せる「PCI-express×1」は積む予定の数より少し多めに。
サウンドカードやTVチューナーなどのオプションを積みたい時に使う「PCI-express(×1)」スロットは大抵のマザーボードには1つは搭載されています。
しかし、グラフィックカードを積もうとする場合には気をつけなければいけない点が1つあります。
上でも少し触れましたが、そこそこのグラフィックカードになるとそれ自体に冷却用のファンが付いており、その分厚みが増します。
するとどうなるのかと言うと、グラフィックカードのファン部分がPCI-expressのスロットを塞いでしまい、グラフィックカードに覆われた部分のスロットは使えなくなります。

上の写真の白い差込口がPCI-express×1スロットです。
グラフィックカードはPCI-express×16がスロットに挿してある状態ですね。
水色のスロットは旧規格のPCIスロットですが今はほぼ使わないので無視してください。
写真ではパッと見2つのPCI-express×1スロットがあるように見えますが、実はこのマザーボードには3つのPCI-express×1スロットが搭載されています。
残りの1つはグラフィックカードの下に埋まってしまっているんですね。
写真でいうとZOTACロゴの陰あたりにあります。
この埋まったスロットはもう何も挿すことができません。
このように、本来搭載されているPCI-expressスロットもグラフィックカードを挿すことで使えなくなってしまいますので、積もうと思っているオプションが2つならなるべく3つ以上のPCI-express×1スロットが搭載されているマザーボードを選びましょう。
このPCI-express×1スロットの搭載数だとやはり大きいサイズのATXに分があります。
多くのATXマザーボードがPCI-express×1スロットを3つも4つも搭載しているのに対し、micro-ATXマザーボードは大抵1つか2つしか搭載されていません。
これは物理的な大きさが影響していますので、オプションをいくつも積みたいという方はやはりATXタイプのマザーボードを選ぶのがいいでしょう。
ちなみにPCI-express×16スロットが2つ搭載されていて片方が余っている場合は、そこにPCI-express×1端子のアイテムを挿すことが可能です。
しかし、マザーボードによってはPCI-express×16スロットが2つ使用されている場合に片方がPCI-express×8扱いとなって処理速度が大幅に落ちてしまうことがあります。
グラフィックカードを挿している方がPCIe×8扱いになってしまうと悲惨なので、PCI-express×1スロットが空いているのであればちゃんとそちらに挿しておいたほうが無難です。
SSDは専用の「M.2」スロットが必要。まあ1個あれば充分。
データを保存するストレージには「SSD」と「HDD」があります。
HDDは容量あたりの単価が安いですが、データの転送速度がSSDに比べてだいぶ遅いです。
ですので最近はシステムを入れるストレージをSSDにすることが多くなっています。
ストレージは元来Serial-ATA(SATA)という端子からケーブルで繋いでいました。
しかしSSDのスピードが進化するにつれ、SATAではSSDのスピードを活かせないということでPCI-expressでデータ転送する「M.2」なる規格が主流になっています。
M.2で接続するSSDは中身がむき出しで、マザーボードのM.2端子に引っ掛けてネジで固定します。
細かい作業で取り付けが若干面倒ではありますが、速度も速くコンパクトなため割とおすすめです。
ですのでSSDをM.2で接続することを考えている方はM.2スロットが搭載されているマザーボードで絞り込みましょう。
- メモリは2枚組で挿すことが多い。
- 増設時に備えてメモリスロットは4つあると嬉しい。
- グラフィックカード用のPCI-express×16は特殊な場合を除いて1つで充分。
- グラフィックカードはPCI-express×1スロットを塞いでしまうことがあるのでPCI-express×1スロットは必要数より少し多めが吉。
- SSDを使うならM.2スロットが1つあると嬉しい。
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その他の絞り込み方。参考程度にどうぞ。
メーカーは有名どころにしておけば問題なし。
マザーボードを製造しているメーカーはいくつかあります。
有名どころだと、
- ASUS
- GIGABYTE
- ASRock
- MSI
- SUPERMICRO
あたりでしょうか。
この辺を選んでおけば問題ないと思います。
というか絞り込んでいったら大体上のメーカーのどれかにあたります。
他のメーカーだと高級マザーボードメーカーだったりして価格が高いので結局選択肢から外れてしまいます。
まあ極端に安い商品とかでなければ問題ないので、特にこだわりがなければメーカーで絞る必要はないでしょう。
ちなみにパソコンを起動した時に画面に出るロゴはマザーボードメーカーのロゴが出るようになっていることが多いです。
我が家のパソコンはASUS製のマザーボードなので起動時に「ASUS」ロゴがデカデカと表示されるため、友達に
と、わけのわからない疑問を持たれたことがあります。
内蔵GPUを使う場合はインターフェースも少し気にしよう。
グラフィックカードを挿す場合は特に気にする必要はありませんが、CPUに内蔵されているグラフィック機能を使用する場合、モニターへの出力端子はマザーボードに搭載されています。
大体HDMIが1つはついているので古いモニターを使うのでなければ特に問題ないとは思います。
しかし古めのモニターを使う場合はちょっと注意が必要です。
昔はD-SUB端子(青いやつ)が主流だったのですが、最近のマザーボード(グラボもですが)にはD-SUB端子がついていないことが多いです。
D-SUBついてる商品は最近あまり見かけないですからね…。
もしモニターとマザーボードが合わない場合は変換ケーブルや変換コネクタを使って無理やりくっつけることができますが、その分の出費は覚悟しましょう。
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初めての自作PC、マザーボードの選び方まとめ
CPUに続きマザーボードも長くなってしまいましたが、まとめるとこんな感じです。
- 先にCPUを決める。→ソケット型とチップセットの選択幅が狭まる。
- ケースの大きさはある程度決めておく。→ フォームファクターが決まる。
- 積みたいオプションを大体決めておく。→必要なスロット数が決まる。
- チップセットに迷ったらI、ntel製CPUなら「B365」、AMD製CPUなら「B450」
- メモリスロットは4つあると便利。
- グラボを積むならPCI-express×16が1つ必要。
- 拡張性の肝になるPCI-express×1は、積みたいオプションの数より少し多めに用意されているものにする。
- SSDを積むならM.2ソケットがあると嬉しい。
上の順序で絞っていけば後悔することなくPCが組み上がるんじゃないかと思います。
ぶっちゃけた話、パソコンパーツを扱うお店の店員さんを捕まえて根掘り葉掘り聞くのが一番手っ取り早いです。
「近くにパーツショップなんかないよ!全部ネットだネット!」という方は、「価格コム」の「絞り込み条件を一括追加」で絞っていくと割と簡単に決められるかと思います。
https://kakaku.com/pc/motherboard/
絞り込むのが面倒な方は下にCPU別で絞ったものを挙げておきますので良かったらどうぞ。
・Intel製CPU(第8~9世代)対応マザーボード
フォームファクタ | ATX |
---|---|
チップセット | B365 |
メモリスロット | 4本 |
PCI-express×16 | 2本 |
PCI-express×1 | 3本 |
M.2スロット | 2本 |
価格帯 | 15,000円程度 |
フォームファクタ | micro-ATX |
---|---|
チップセット | B365 |
メモリスロット | 4本 |
PCI-express×16 | 1本 |
PCI-express×1 | 2本 |
M.2スロット | 1本 |
価格帯 | 10,000円程度 |
・AMD製CPU(第2~3世代)対応マザーボード
フォームファクタ | ATX |
---|---|
チップセット | B450 |
メモリスロット | 4本 |
PCI-express×16 | 2本 |
PCI-express×1 | 4本 |
M.2スロット | 2本 |
価格帯 | 10,000円程度 |
フォームファクタ | micro-ATX |
---|---|
チップセット | B450 |
メモリスロット | 4本 |
PCI-express×16 | 1本 |
PCI-express×1 | 2本 |
M.2スロット | 1本 |
価格帯 | 9,000円程度 |
CPUに続き今回も長くなりましたが以上です!
