FPについての雑感

妻の職場に出入りする保険営業の人を切り捨ててしまった話。FPが身内にいるなら対面営業は不必要。

hokenshouken01

私は損をするのが嫌い(博打を除く)なので自分の保険やお金周りのことについては精査して厳選していますが、妻のお金周りについては妻に任せていました。
しかしつい先日、妻が急に

妻
なんか今、職場の保険屋さんから保険見直しの話が来てるんだわ。
資料もらったから見てくんない?

などと言い出したため、博打大好きおじさんが現行の保険と提案されている保険の資料をチェックすることになったのです。

現行の保険:終身保険は終身保険ではなかった?

現行の保険は妻が独身時代に加入していたもので、結婚したと言ってもわざわざ口を出すようなものでもないため放置していました。
それでも話は少し聞いていて、終身保険に月5,000円ちょっとくらい支払っているという認識でした。

そこでまず私が思ったのは、

三本松
三本松
終身保険を見直し?妙だな…。

ということです。

基本的に終身保険は途中で保険料が変わらないはずです。
しかも、

妻
この保障で更新したら3年後に1万円くらいまで上がるらしい。
乗り換えたら解約返戻金を充当して同じような保障が月8,500円くらいで受けられるんだって!

という謎の文言が飛び出します。

三本松
三本松
え?更新で保険料跳ね上がるって終身じゃなくて定期保険じゃないの?
妻
いや終身だって。書いてあるでしょ?

確かに保険屋が作った提案書には終身保険と書いてあるのですが、保障内容を見てみても終身保険というよりは定期保険+医療保険のそれに近いものでした。
この提案書には終身保険の保障内容については全く触れていないのです。

三本松
三本松
これ見てもわからんわ。保険証券ある?

何とか妻に保険証券を探し出させて確認してみると、私の感覚とはかけ離れた内容が書いてありました。

  • 定期&医療特約つき終身保険。
  • 5,000円強の保険料のうち4,500円以上が特約部分。
  • 主契約である終身部分保険料は数百円。
  • 上乗せされた特約部分はもちろん掛け捨て。

といった感じです。

正直、特約部分が9割近くを占める保険を終身保険と謳って売るのはいかがなものかと思います。

これを見て私は妻に、

三本松
三本松
少なくともこの保険を更新して続けるメリットは1個もない。
何なら今すぐにでも解約したほうがいいくらいだよ。
主契約だけ続けられるならそれでもいいけど。

と伝えました。

毒猫
毒猫
めっちゃ早口で言ってそう。

基本的に保険の特約というのは少し割高です。
ましてやネットでなく対面営業が担当する保険はその人件費も乗っかってくるため、特約を乗せたら乗せただけセールスが儲かる仕組みになっています。
保険料の変わらない終身保険という看板を餌に、更新が必要な定期保険や医療保険の特約を大盛りにして売るやり方は個人的にはあまり好きではありません。というか大っ嫌いです。

妻いわく、

妻
なんかよくわからないまま上司に「ハンコ押しとけ」って言われて契約した。

だそうです。

こんなん今じゃパワハラもパワハラですからね。
その上司呼びつけて石の上に座らせて小一時間問い詰めたいですね。

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見直し後の保険:特約だけの保険なんてあるのかよ!

さて現行契約は更新しないことは決定しましたが、問題は乗り換えを勧められている方の保険についてです。
こちらの契約についても特約の保障内容が色々書いてあるものの、肝心の主契約については何も記載がなく結局何保険なのかがよくわからない提案書でした。
しかもこちらは契約前なので保険証券もありません。困ります。

三本松
三本松
ゴテゴテした提案書よりも見積り段階で保険証券のプレビュー出してほしい。

そこで提案書に書いてある保険の商品名を検索してみました。
しかし、主契約が何なのかはサイトを見てもさっぱりわかりません。
わかったのは「組立保障保険」という、「特約が保障の主体となっている保険らしい」ということだけでした。
私が不勉強なだけかも知れませんがこんな保険があるんだというのを初めて知りました。
正直、売る側にわかりやすく都合のいい保険商品な感じが拭えません。

そして特約の内容は、

  • 1000万円の死亡保険:保険料2,500円くらい
  • 医療保険(がん保険、入院5000円/日、通院保障など):6,000円くらい

といった感じです。
ネット保険を見たことがある方であればすぐに高いと分かるでしょう。
とりあえず提案書通りの加入はせず、定期部分だけ保険金額を300万円(保険料1,000円くらい)に減額して契約してはどうかと妻には勧めました。
その理由は、

  • そもそも我が家に医療保険が必要なさそう。
  • 医療保険に入るとしても同保障で低保険料の保険を探せる。
  • 定期保険も保険料半額くらいのものに入れる。
  • 現行保険の解約返戻金が安すぎて(5万円ほど)保険料の足しにならない。
  • 営業さんの顔を立てるために出せる金額が月1,000円程度。

といった感じです。

我が家は共働きで一方が入院してももう片方が働けます。
そして入院した場合の医療費くらいの蓄えはありますし、高額医療保障制度を使えば貯蓄で1年くらいは凌げます。

心配なのは住宅ローンですが、入院が長期(1年以上)にわたった場合には団信の全疾病保障で残債はチャラです。
そしてそもそも入院が1年以上の長期にわたるような病気はガンくらいですから、これも団信のガン100%保障でチャラになります。

三本松
三本松
他の大病であればだいたい1年経たずに死んじゃいますからね…。

そして医療保険にせよ定期保険にせよ、営業担当が付く大手保険会社や代理店で加入するよりも保障が厚く保険料の安い商品はネット証券で探すことが可能です。
そして商品の幅という点でも営業担当者は自分の所属する会社の商品しか扱えないため元から不利です。

また、現行保険の解約返戻金を新加入の保険料に充当することで保険料が安くなるという話でしたが、上述した通り保険料のほとんどが特約部分の掛け捨てのため解約返戻金自体が雀の涙です。

三本松
三本松
終身保険に5,000円以上の保険料を12年間支払って解約返戻金がたったの5万とかですからね。
それを充当したっていくらにもなりません。

その程度の充当で「安くなりますよ!」とお得感を出されても実際はちっともお得じゃないわけです。
それでいて新しい保険も割高ときたら加入する気には到底なれませんでした。

ただ、妻の職場の営業員さんには面倒な手続きなどで色々尽力してもらっていたことを鑑み、300万円の定期保険だけは契約してもいいんじゃないか、という結論に落ち着きました。

その話を妻が保険屋さんに伝えたところ、「月額保険料で5,000円を下回ってくるとペイできない」という理由でその保険は単純に解約する運びになりました。

三本松
三本松
そりゃそうですよねぇ…。

結局妻の定期保険は別途保険料の安い会社で加入することにしました。
職場の保険外交員の方はお役御免ということになります。
保険の見直しを提案したことが裏目に出て割りを食ってしまったことになりますね。

ちなみに妻がその保険屋さんに「夫がFP持ってる」という旨を伝えたところ、あからさまにトーンダウンしたようです。
やはりFPの敵はFPですね。

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保険外交員が必要な人は限られている。

そもそも保険外交員が担当についている分だけネット保険より支払う保険料が高くなるのですから、そのメリットを享受できる人以外は外交員を利用する意味がありません。
ではどのような人が保険外交員をつけて保険に加入するべきなんでしょうか?
その辺についてちょっと触れてみますよ。

1.お金に余裕がある。

まずは大前提として、保険外交員を担当につけてそこから保険に加入するわけですから、割高な保険料を支払えるだけでなく、その保険料が家計の負担にならないくらいの収入が必要です。

ネット保険と違い、営業員がついているということはその人を雇っているのと同じです。
つまりいくら優秀な保険屋さんについてもらっていたとしても、その人を養う金銭的な余裕がないのであればそれはもはやただの贅沢品となってしまうわけですね。

結局お金のない人は対面営業のコストを負担してる場合ではないということになります。
ご利用は計画的に!

2.保険について考えるのも面倒くさい。

保険外交員を担当につけるメリットは「ライフプランを丸投げできる」ことにあります。
どこぞの保険屋のように保険料で身ぐるみを剥ぎにかかるような外交員でなければ、ある程度その人の平均的な収入や資産に合った保険プランを提案してくれるでしょう。

しかし、保険加入者の細かな収入や資産、キャッシュフローを全て把握しているわけではありませんので、加入者の現況に必ずしも合致するとは限りません。
収入、資産、キャッシュフローを把握しているのはもちろん本人やごく近い家族です。
自分に最適な保険プランを構築できるのは自分と家族くらいであるという認識は持っておいたほうがいいでしょう。

この辺を考えるのが面倒という人が最大公約数的な保険プランで妥協するために保険外交員を抱えておくものと考えてください。
そのへんを割り切って外交員に丸投げするのであればそれほど悪い選択肢ではありません。

3.忙しくて時間がない。

上記の「考えるのがめんどくさい」に通ずる部分はありますが、「仕事が忙しくてそこまで考えている暇がない」という人は保険外交員を担当につけて色々やってもらうのはありです。

往々にしてそういった人は、「自分でライフプランを考えるのに割く時間があるのなら働いていたほうが儲かる」という人も多いです。
この場合は時間こそお金ですから、多少割高であっても必要経費と考えて対面営業の保険屋さんに投げるのはいいと思います。

ただこのパターンは、身ぐるみ剥ぐ系の外交員に当たってしまっても気づきにくいというデメリットもありますので見極めは慎重に行ってくださいね。

4.そもそもネットが使えない。

こんな人は今時いるのかと思いますが中高年齢層を中心にまだまだ存在します。

三本松
三本松
私が勤める会社ではグーグル検索すらまともにできない輩が大多数です。

営業担当のつかない保険のほとんどはインターネットを介したものですので、保険料を圧縮するにあたってネットが使えないというのは致命傷です。

こういった人が取るべき道は

  • インターネット検索を覚えるところから始める。
  • 保険の勉強をして外交員と交渉する。
  • 諦めて丸投げ。

くらいしかありません。

ネット保険を利用しないということは、自分のライフプランを自分で構築して不要な保険を切り捨てたりすることである程度無駄な保険料を抑えることは可能ですが、乗っかってくる人件費は削りようがありません。
やはり保険料をなるべく抑えたいということであれば、「パソコン疎いから…。」なんて言っている場合ではなく、今すぐにでも検索機能くらいは使えるよう学ぶ必要があるのです。

保険にしろインターネットにしろ、結局は情報を持っている人がお得になる世の中には変わりないんですよね。

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我が家に保険外交員は要らなかった話まとめ。

今はインターネットであらゆる情報が手に入る時代です。
自身を含む身内に1人でも保険について調べる気がある人間がいるのであれば、保険外交員にライフプランを丸投げするのはお金の無駄です。
被保険者の経済状況を細かく把握しているのは本人だけですので、本人が保険についてちゃんと調べさえすればどんな保険屋やFPよりも適した保険が見つけられるんですよ。

FPなんて専門家でもなんでもありません。
「金周りについて調べる気力のある人」くらいのものです。
ちょっと調べれば保険屋さんが持ってくる程度のライフプランなんて素人でも作れます。
それを丸投げすることで発生する追加料金が妥当かどうか、立ち止まって考えてみることをおすすめしますよ!

以上です!

 

ABOUT ME
三本松
1級ファイナンシャル・プランニング技能士。 三本FPラボ経営。 北海道根室市出身、都内在住の妻子持ち社畜。 零細メーカーで経理をやりながら野良FPとして勉強中。 無知故に若い時間を無駄にしてしまった経験から、 過去の失敗などで学んだことを記事にして発信しています。
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