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博打大好きおじさんAFPが考える投資のアリ・ナシ【為替編】

ドル円相場01

今回の記事は昔に比べてだいぶ一般的になってきた「外国為替投資」のアリ・ナシを解説していきます。
例によって博打大好きおじさんAFPが主観にまみれて書いていますのでその辺はご了承くださいね。

株式投資について書いた前回記事はこちらです。

株式01
博打大好きおじさんAFPが考える投資のアリ・ナシ【株式編】投資の入り口として使われることの多い株式投資、結局投資としてはアリなのかナシなのか、博打大好きAFP持ちおじさんが主観で解説しています。...

FX(外国為替証拠金取引)は自分でのリスク管理が必須。

ここ10年くらいでかなり一般化した感のあるFXですが、まだまだ博打のイメージが強いと思います。
この投資に将来資金をつぎ込むというのはやはりリスクが大きく、やるとしても小遣いの範囲で割り切って行うことをお勧めします。

ただし、「日本円よりも外貨に将来性がありそうだし、どうしてもまとまったお金を投資したい!」という場合は徹底したリスク管理をするという前提でやってみるのはアリかも知れません。
ここで言うリスク管理とは、

  • レバレッジ管理
  • 分散投資

の2点です。

ご存知の通り、FXが嫌われている理由はそのレバレッジの高さとロスカットによる強制退場にあります。
日本ではFXのレバレッジは25倍に規制されていますので、最大にレバレッジを効かせた場合は10万円で250万円分の為替取引ができてしまいます。
この危険を回避するためには自らを律して意図的にレバレッジを下げることが必要になるんですね。
具体的には10万円を預けるとしたら10万円分(1,000ドル弱)だけの取引に留めればレバレッジは1倍ですし、5万円分に留めればレバレッジは0.5倍です。
この辺についての詳細はこちらの記事をご参照下さい。

ドル円相場01
外貨預金よりもFXのほうが有利な理由。リスクを自身で管理すればFXは怖くないが、特におすすめではないよ、の話外貨での資産運用を考えている場合、外貨預金という選択肢にメリットはありません。 悪名高きFXのほうが仕組みとしてかなり有利なのをご存知ですか?...

レバレッジの管理をきっちり行えばロスカットによる強制退場のリスクを回避できますので、悪名高きFXといえどもそれほど怖い取引ではありません。
しかしこれには1つ重大な欠点があります。それは

レバレッジのない為替投資は全然おもしろくない

ということです。

良くも悪くも、FXにはレバレッジが効いているがゆえのダイナミックな評価額変動が起こるイメージがあります。
レバレッジを管理することでそのダイナミックさを自ら放棄することになるため、投資としては魅力に乏しいものになってしまうんですね。

市場の成長で評価額が伸びる株式市場と違い、為替は2国間(2通貨間)の相対評価でレートが決まります。
そのため、2国間の市況格差が長期で開き続けるような状況でない限り、持っていれば評価額が着実に伸びていくということは起こりにくいのです。

もちろん金利差によるスワップで利息のようなものを増やしていくことは可能なのですが、主だった通貨は現在世界的な低金利政策により微々たるものになっています。
新興国通貨では高金利なものもありますが、そういった国は「経済的に信用が少ない国だから金利が高い」という側面がありますのでそもそも投資向きではありません。

そう考えると長期の投資としてFXを選ぶ旨味はあまりないと言えるでしょう。
結論としては、「FXはレバレッジを効かせて小遣いで遊ぶ博打」の域を出ないと言っていいかと思います。

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王道の外貨預金は移住しないならやる意味無し。
ステーブルコインの登場でそれすらも無意味に…。

銀行が一時期必死に勧めていた外貨預金ですが、これに関しては正直言って消費者側にとってメリットがほとんどありません。
というのも、ほとんどすべての点において外貨預金はFXに劣っていると言えるからです。
例えば、

  • 両替手数料がバカ高い。
  • 預金利息<スワップポイント。

という点が挙げられます。

銀行にもよりますが、ドルの場合預金時と円貨引き出し時に1ドルあたり1円の両替手数料が発生する場合が多いです。
つまり1万ドルの外貨預金だと始めた瞬間に2万円負けが確定してしまいます。
ドル円の価格が2円上昇して初めて利息の恩恵が受けられることになりますね。
対してFXでのスプレッド(売値と買値の差)は1ドルあたり1銭以下から高くても数銭です。
外貨の値上がり益を期待した場合にどちらが勝ちやすいかは火を見るより明らかですよね。

スワップポイントは外貨と円貨の金利差です。
現状の金利差ではほとんどの場合外貨預金の金利よりもFXでもらえるスワップポイントのほうが多く貰えます(ちなみに売りから入った場合にはスワップポイントを支払う必要がありますが、外貨預金ではそもそも売りができないのでここでは無視します)。

この先金利差が縮まってくれば外貨預金のほうがもらえる額が多くなる可能性もありますが、そうなってくると利息目当てで外貨預金を行うメリットそのものが無くなってしまいます。
ですので利息という点においてもFXに分があると見ていいでしょう。

三本松
三本松
もちろんFXのレバレッジ管理を適正に行う前提ですけどね。

唯一外貨預金に利があるとすれば、銀行にもよりますが外貨の現金引き出しが可能という点です(FXでも外貨受け渡しのサービスを行っている会社もなくはないですが、需要がないのか一般的ではありません)。
しかしこれは海外移住を検討している人くらいしか恩恵を受けることはありません。
というのも、海外旅行程度であればわざわざ外貨預金から現金を引き出す必要がないからです。

海外ではほとんどの場合クレジットカードで買物は可能ですし、どうしても現金という場合でもクレジットカードの海外キャッシングで事足りてしまいます。
キャッシングと言うとどうしても高金利の借金のイメージで実際に利率や手数料は高いですが、それでもわざわざ外貨預金から引き出すよりは低コストなのです。
ですので海外旅行のために外貨預金を開設する必要はありません。

一方移住となるとある程度まとまった外貨が必要になるため外貨預金の出番があるかも知れませんが、そこでもやはり取られる手数料がネックになります。
そんな人は、移住前に日本円をステーブルコイン(法定通貨にペッグされた仮想通貨)に換えておき、移住後に現地の銀行口座開設が終わったら現地通貨に換えて入金すればコストはかなり圧縮できるのではないでしょうか。

三本松
三本松
移住とか検討したことがないので不備があったらごめんなさい。

こうやって書いてみると外貨預金で受けられるサービスは他の金融商品で補完できることがわかります。
何かメリットはないかと思っても調べれば調べるほど要らない商品でした。残念。

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※ちなみに主な国内取引所でステーブルコインは買えません。
国内の取引所でビットコインを買って海外取引所にビットコインを送ってステーブルコイン(USDT・USDC・BUSDなど)に換える必要がありますので地味に面倒です。

一応最もつぶれにくいであろう最大手の海外取引所「バイナンス」のリンクを張っておきますのでステーブルコインをお求めの方とギャンブル好きの方はどうぞ。他の方はスルーしてください。

最大手海外取引所「Binance」

三本松
三本松
まあネット上で完結するので外貨預金を現受けするよりは楽ですけどね。

外貨建個人年金保険の中身は外国債券。

銀行の窓口で勧められることも多い外貨建て個人年金保険もある種の外貨投資と言っていいかも知れません。

毒猫
毒猫
無理やりねじ込んだ感は否めないけどな!

しかし、この商品は現状ではあまりおすすめできる代物ではありません。

その理由はいくつかあります。
まず、運用の中身に関してはほとんどが外国債券で、保険の側面があるため新興国債権の組入は限定的なため多くは先進国の外国債で運用されているんですね。
現状では先進国のほとんどは低金利政策を続けているため、外国債券に偏った運用は効率的とは言えません。

そして運用資金のほとんどが外国債券である以上、余計なコストがかかる保険よりも証券会社で直接外債ファンドを買ったほうが利回りが良くなるであろうことは容易に想像できます。
NISA枠を使って投資信託を買っておけばコストを最小限に抑えることができますからね。

三本松
三本松
まあ投資対象を外債一本にすること自体おすすめできませんが…。



さらに年金保険の性質上、満期の前に解約すると返戻率が著しく低下してしまいます。
これは資金の流動性を徒に殺してしまっていることに他なりません。

利回りが低い上に資金の引き出しができないというダブルパンチを食らってしまうため、投資としての旨味は現状あまりない商品と言えます。
現在加入している外貨建て年金保険を解約する必要はありません(というか解約したら損するのでできない)が、新たに外貨建個人年金保険を契約するのはおすすめできません。
もし今銀行や保険の担当さんに勧められているのであれば丁重にお断りしたほうがいいでしょう。

三本松
三本松
「預金で寝かせておくよりこんなにお得ですよ!」とか
わざわざ一番下の利回りの商品と比べてドヤったりしますからね。
上も含めて比べんかいと小一時間。
毒猫
毒猫
どんだけ金融の営業にに恨み深いんだよ…。

何かメリットがあるとすれば、「強制的に積立ができる」くらいのものですので、「引き落としで強制的に分けておかないとついつい使っちゃう」という意志の弱い方向けの商品です。
強制積立コインロッカーくらいの認識でいいでしょう。

一時期流行ったバイナリーオプションはただの丁半博打。

バイナリーオプションは割と最近出始めた商品です。
一時期流行っていた記憶がありますね。

バイナリーオプションは、ある地点の為替相場が予め決めた価格を上回っているかどうかで配当が決まるというオプション取引です。
例えば現在の為替が1ドル=110円で「2日後の0:00に1ドル=112円を超えている」というオプションを買った場合、その時刻に1ドル=112円を超えていれば一定の払い戻しを受けられることになります。
このときの為替が113円であろうが150円であろうが払い戻される金額は変わりません。
逆に112円を下回っていたらオプション購入に支払った金額は丸損です。
つまりこの取引は単純なハイアンドローで勝敗が決まり、性格としては丁半博打みたいなものです。

これは感覚としては100%博打であり、投資と呼べる代物ではないと言っていいでしょう。
小遣いの範囲でギャンブルとして楽しむ分には結構ですが、将来資金を増やす目的でバイナリーオプションを利用するのは愚策中の愚策に違いありません。
間違っても将来設計に組み込むことのないようご注意下さいね。

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為替投資のアリ・ナシの話まとめ。

  • FX → レバレッジ管理ができる前提で時と場合によってはアリ。基本博打なので小遣いの範囲で。
  • 外貨預金 → ナシ。高確率で手数料負けする。
  • 外貨建個人年金保険 → ナシ。債券ファンド買ったほうがマシ。
  • バイナリーオプション → 丁半博打が好きなら小遣いの範囲でアリ。

まとめるとこんな感じです。
総じて為替投資は将来資金を投じてまで長期で行うメリットはあまりない商品群とみて差し支えありません。
ギャンブル好きでない限り為替投資は選択肢から外してもいいでしょう。

FXとバイナリーオプションについては博打好きでもない限り取引機会が訪れることはそうそうないのでいいのですが、外貨預金と外貨建個人年金保険については商品がゴミな割に勧めてくる人が多いので注意が必要です。
外貨預金は銀行窓口での勧誘がありますし、外貨建個人年金保険はそれに加えて職場に出入りする保険営業の人が勧めてきたりします。

これのタチが悪いのは、商品として優れている点が乏しいにもかかわらず、「博打よりもリスクが低く円預金よりも利回りが出る」という当たり前のものを、「あたかも優れた商品」であるかのように勧めてくる点にあります。

よくよく考えてみれば、博打並みに高リスクな金融商品はあっても博打より高リスクな商品なんてありませんし、円預金よりも利回りの悪い金融商品もありません。
リスク最悪なものとリスクを比べ、利回り最悪なものと利回りを比べて消費者をその気にさせるという非常に悪質な営業手法と言ってもいいかも知れません。
さらに厄介なことに、勧誘をしてくる営業もその歪な勧誘が歪であるということに気づいていない場合が多いのです。

三本松
三本松
自分の売る商品しか勉強していないので当然といえば当然なんですが…。

ですので消費者側としてはある程度広く知識を持って自分のお金を守るようにしなければいけません。
全ての商品について深く精通する必要はありませんが、色んな商品をサラッと知っておくだけでもだいぶ違います。
学校教育で金融商品について学ぶ機会はほとんどないため、それだけでも周りの大人より頭一つ抜け出すことができます。

金融商品について調べるのに遅すぎるということはありません。
まずは営業に勧められた商品をググるところから始めてみてはいかがでしょうか?

以上です!

 

ABOUT ME
三本松
1級ファイナンシャル・プランニング技能士。 三本FPラボ経営。 北海道根室市出身、都内在住の妻子持ち社畜。 零細メーカーで経理をやりながら野良FPとして勉強中。 無知故に若い時間を無駄にしてしまった経験から、 過去の失敗などで学んだことを記事にして発信しています。
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