私は最近都内の建売戸建てを買いまして、引っ越しに備えて様々な追加工事をしている最中です。
そんな中、かなり腹の立つ出来事がありましたので今回はそれに関する記事ですよ。
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新築戸建についていないエアコンは自分で手配する必要あり。
ご存知の方は多いかと思いますが、新築の一戸建てを購入した場合、生活に必要な設備でも意外とついていないことが多いです。
照明はもちろん、カーテンレールなんかも自前で用意しなければなりません。
販売業者によってはオプションとして用意してくれることもありますが、今回私が買った業者はオプションはほとんど取り扱っていませんでした。
そんな中、自前で用意しなければいけない設備の一つであるエアコンを取り付けることになりました。
新築の一戸建てですから壁の穴なども開いておらず、素人が自分で取り付けをするのは不可能です。
ですので機械だけは通販で3台購入し、取り付けは専門の業者に依頼する運びとなった次第です。
ちなみに家電量販店などで購入して一緒に取付工事を依頼するやり方もあったのですが、量販店とネット通販では価格差がすごいので面倒でなければネット通販で購入したほうが安く上がると思います。
家電量販店では通常、エアコン価格に標準工事費が含まれていますが、配管が長くなった場合の追加料金や化粧カバー、追加部材などは結局別料金になってしまいますからね。
家電量販店 | ネット通販 | |
エアコン価格 | 高い | 安い |
標準工事費 | 含まれる | 業者を自分で手配 |
配管延長 | 別料金 | 業者次第 |
化粧カバー | 別料金 | オプション料金 |
追加部材 | 別料金 | オプション料金 |
電源移設 | 別料金または不可 | オプション料金または不可 |
↑ざっくりとしたイメージです。
延長などのオプションは業者を自分で手配しても家電量販店の指定業者でもかかるので比較はしにくいですが、私の場合14畳用のエアコンで倍近くの値差があったので迷わずネット通販+業者手配を選択しましたよ。
もしエアコンの手配をしなければならない場合は、「家電量販店のエアコン代+オプション料金」と「ネット通販のエアコン代+取付総額」を比較して安い方を選ぶと少しお得になるでしょう。
そんな事ある!?壁の幅が足りない!
というわけで私はネット通販で安かったエアコンを購入し、業者さんを自分で探して取付を依頼することになりました。
ちなみに買ったエアコンは下記の2機種。
リビング用に上のを1台、居室用に下のを2台買いました。
保証つき総額でだいたい23万円くらいです。
そして取付に関しては、【くらしのマーケット】で業者を探して依頼しました。
私が頼んだところは標準工事費15,000円/台の業者さんでしたね。
まあまあ安いところだと思います。
そして3階の居室に取り付けるための説明を受けていたときのことです。
業者さんの顔が旧に曇りました。そして一言。
まさかの展開です。
壁にはエアコン専用のコンセントがしっかりついており、どう考えてもエアコンを取り付ける壁はここだと主張しています。
それにも関わらず、エアコンを側壁にピッタリくっつけても端が壁からはみ出てベランダの窓枠にかかってしまうのです。
測ってみると壁の幅は78cm、霧ヶ峰の横幅は79.9cmですからもう物理的に絶対はみ出てしまうんですね。
「2階は大きいサイズのエアコンでもはみ出ていないのになぜ3階だけ???」と思いよく見てみると、2階と3階でベランダ窓の位置がズレていることがわかりました。
おそらく狭小住宅特有の斜め天井の兼ね合いで窓の位置をズラす設計をしたのでしょう。
横っかわの壁につけりゃいいんじゃないの?
確かに角であれば候補は2つありますし、実際に横の壁は幅としても問題ありませんでした。
しかしなぜか我が家の場合、エアコンをつける高さに換気口がついていたのです。
こちら側の壁につけようとすると換気口を避けなければならず、換気口を避けた結果エアコンが顔の高さに来てしまうことになります。
これにはさすがのエアコン業者さんも、
と半ば呆れ気味でした。
改めて調べたところ、当該壁面の幅(78cm)で物理的に取り付け可能だった
のは、
- 富士通ゼネラル 698~777㎜
- ダイキン 770㎜
- シャープ 770㎜
- コロナ 775㎜
の4社でした。
ただし、取付業者さん曰く
ほしいのでギリギリでの取り付けはおすすめしません。
とのことでした。
そうなると通常取り付けるに値するのは富士通ゼネラル製一択となります。
ちなみに同じ6畳用での価格は私が買った三菱製の2倍くらいします。
まともに取り付けられるのが富士通ゼネラル製だけなら内覧時に一言くらいあってもいいと思うんですよね。
まあ多分その辺は何も考えないで設計したんでしょうけど。
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エアコンが入らないときの解決案は??
しかし業者さんはそういう場合の解決案をいくつか持っています。
今回のケースでは以下の方法がありましたので一応書いておきます。
まあエアコンを買う前にしっかり測っておかなかった私も悪いんですが、売り主から一言くらいあっても良かったんじゃないかと思いますよ。
解決案1.換気口の下に取り付ける。
これは上でも少し書きましたが、換気口にかぶらなければ幅的には取り付けは可能です。
しかし、換気口を避けて取り付けるとなるとやはり顔の高さにエアコンが来てしまいます。
我が家ではこの部屋は主寝室として使う部屋でしたので、そんなところに顔の高さのエアコンがあるなんてとてもじゃないですが耐えられません。
そのため即断で却下しました。
解決案2.背板を噛ませて無理矢理取り付ける。
理論上では、窓枠が壁から盛り上がっているからエアコンが取り付けられないということなので、窓枠が壁から出っ張っている高さと同じ厚さの板を用意し、それをまず壁に取り付けてその上からエアコンを取り付けることは可能という話でした。
この方法であれば少しくらいであれば窓枠よりはみ出ていても取付自体は可能なので、一応本来取り付けるべき壁にエアコンが来ることになります。
しかし、エアコンが窓の方にはみ出ている部屋に住みたいかと言われれば絶対に嫌ですし、そもそも業者さんも背板を持ってきていないということでこちらの案も却下となりました。
解決案3.窓の反対側に取り付ける。
最終的に私が選択した方法は、コンセントを移設して反対側の壁に取り付けるという方法でした。
べランド窓の反対側であれば幅的に問題ない取り付け場所を確保できます。
しかし最終的に取り付けはできたものの、こちらも一筋縄では行きませんでした。
というのも、コンセントの移設には電気工事士の資格が必要なんです。
もしあなたがこんな状況になっても、業者さんに電気工事士の資格がなければこの方法は取れません。
たまたまその業者さんは資格を持っていたので急遽移設工事をしてくれることになったのですが、もちろん向こうも仕事なので料金が発生します。
その額なんと3万円。
業者さんにもよりますが、結構な金額を取られてしまいます。
しかし他に選択肢もなかった私はやむなく3万円を支払って移設をお願いしました。
追加料金だけで済まなかったおまけの話。
追加料金3万円を支払うことに同意してコンセントの移設をお願いした我が家ですが、問題がもう一つ。
それは、「取り付ける際に必要になる化粧カバーがない」というものでした。
当初の予定ではエアコンの裏側に排気口が空く予定だったのですが、エアコンの取付位置を移動した結果、排気口がエアコンの横側になってしまいました。
その際、化粧カバーを希望したので必要な部材が足りなくなってしまったんですね。
化粧カバーはなければないで動くんですが、毎日使う寝室にむき出しの配管はよろしくないのでつけてもらうことに。
業者さんは、
という提案をしてくれましたが、何せ3台取付で最初から1日仕事です。
これに会社までの往復の時間を加えると終わりは深夜です。
私も終わったあとは現住居に帰らなければいけない上、次の日は仕事だったのでそればかりは避けたいところです。そこで、
と私が申し出ました。
結局それで部材代くらい値引きしてもらうことを条件に私がパシリをやることになります。
そこでまた問題がでてきたのですが、この部材を扱っている小売店がなかなかないんです。
家から歩いていけるホームセンターにもなく、繁華街のホームセンター、家電量販店、ドンキに片っ端から電話してみましたが全く取り扱いがありません。
それもそのはず、この化粧カバーはエアコン設置の際に取り付けるべき部材で、後付で足せない部材なんですね。
ですのでDIYで取り付けるのに使うようなものではないのでそんじょそこらのお店には売っていないのです。
結局売っていたのは島忠の中野本店のみで、私は電車代を払って方南町まで遠征に行く羽目になりました。
まあでもいろいろ疑問に答えてくれるいい業者さんでしたよ。
ちなみにエアコン業者を依頼した【くらしのマーケット】は口コミなどをチェックして選べるので馴染みの業者さんがいない人が業者さんを探すには重宝すると思いますよ。
私はエアコン取付の他にTVアンテナやLANケーブルの壁内配線などもここで探しました。
地域や予約可能日で絞り込みもできるのでなかなか便利です。
ダメ元で売主にクレームを入れてみた結果…。
話は戻りますが、さすがにこんなお粗末な設計をした売主には文句の一つも言いたいので、不動産屋を通じて売主としての見解を尋ねました。
その内容はざっと下記の通り。
- なぜわざわざ取り付けられる幅のある方の壁の、エアコンの高さに換気口をつ
けたのか? - あの壁に何をしたくてあの設計にしたのか?
- 富士通ゼネラル製なら取り付けられるというのであればなぜそれを伝えなかっ
たのか? - 買主が自分で調べて富士通ゼネラル製にたどり着けることを想定しての設計な
のか? - 2階と3階でベランダ窓の位置をずらしたならなぜコンセントの位置を変えな
かったのか?
放っておくと無視されかねないので期限を切って問合せたところ、下記のような回答が来ました。青字が回答部分です。
- なぜわざわざ取り付けられる幅のある方の壁の、エアコンの高さに換気口をつけたのか?
→換気口については、取付高さの規定があるため、現状の高さに設置させていただいております。
↑これは一見それっぽい回答に見えますが、2階キッチンやトイレの換気口は腰くらいの高さに設置してあり、その説明はありませんでしたので適当に答えた感じが否めません。
→また、A号棟(※同時分譲の隣家)側の壁ですと、隣地との距離が短い為、通気が充分に取れるよう東側に設置しております。
↑公道側に面しているベランダ側の壁につければよいのでは?と思いましたがそこの説明もありません。
- 富士通ゼネラル製なら取り付けられるというのであればなぜそれを伝えなかったのか?
→エアコン設置に関しまして、一般的に販売されている寸法を想定しておりますが、弊社では具体的な機種までは想定しておりません。
また、エアコン設置については施工業者により施工方法・技術の差が大きい為、お客様と施工業者でのお打合せにより機種を選定することを想定させていただいております。
↑1社しか適合していないのが一般的な機種を想定?
富士通ゼネラルの関係会社の人ならわかりますが、そうではなく他メーカー製が全く適合していないのに一般的とは一体何のことを言っているんでしょうか…。
- 買主が自分で調べて富士通ゼネラル製にたどり着けることを想定しての設計なのか?
→エアコンの選定については、施工業者により異なる部分が大きい為、お客様と業者との打合せにより機種の選定することを想定させていただいております。
↑施工業者で異なるも何も富士通ゼネラル製しかつかないのは設計時に確定していたわけで、「それを黙っているのはただボケっと設計してそこまで考えていなかっただけじゃないの?」という疑問には何も答えていないのでは?
そもそもエアコン取付時にデパートの外商よろしく複数機種を車に積んで売り込みに来る業者なんかいるわけないですよ。
業者さんだって前もって「コンセントのある壁の幅は何センチですか?」なんて聞くわけもなく。
それでもまあここまでは「エアコン買う前にきっちり測っておかない買主が悪いんだよ察しろよ」というのを言いたいんでしょうし、私がきっちり測らずに機種を決めてしまった私にも落ち度はあるかと思います。
ただ最後の回答を見るとそんな後ろめたさも吹っ飛ぶくらいのふざけたものでした。
- 2階と3階でベランダ窓の位置をずらしたならなぜコンセントの位置を変えなかったのか?
→コンセントの位置については、窓、収納等の総合的なバランスを基に設置位置を検討した結果、現在の位置に設置することとなりました。
・・・
・・・
政治家か!!!!
何だよ総合的って!
ちなみに収納とか申し訳程度に書いていますが、収納の位置は対角なのでエアコンと干渉することは一切あり得ません。
6畳用を超えるでかいエアコンをつけようとも収納の扉はエアコンまで届きませんしね。
この会社はクレームが来ているのに図面も見ないで回答しているんでしょうか?
そもそも総合的なバランスをちゃんと考えたら、少なくともメーカーが1社に絞られることなんてないように設計するでしょうよ!
今回の件については、
- 換気口の位置を変える。
- コンセントの位置を変える。
- 「取り付け幅が狭めで機種が限られる」ことを事前に伝える。
この内どれか1つでもやっていればこの有様にはならなかったわけですよ。
それを「総合的なバランスを判断して~」なんて適当なこと言われて「ですよね~」なんてなるわけねえだろ!アホか!
結局売主は雰囲気で設計して細かいことは考えずに家をを建てていたんでしょう。
でも「雰囲気で作りましたゴメンネ」なんて買主に言えるわけもありませんのでこのようなのらりくらりとした妄言で逃げ回るしかないんでしょうね…。
とりあえずこちらが前もって幅の計測をしていなかったという負い目もあり、これ以上この問題にリソースを割いても疲れるだけなので、売主の杜撰な認識がわかっただけで収穫ということで矛を収めることにしました。
※ちなみにその熱い漢のいる不動産屋さんについての記事はこちらです。
エアコンが取り付けられない壁の話まとめ。
イライラ全開で書き進めてきましたが、今回の売主業者が悪徳でボッタクリだということが言いたいのではありません。
むしろ耐震構造などに問題はなく、建売にしては設備なども割としっかりしています。
いろいろ調べてみるとわかりますが、この程度の設計、施工の雑さというのは建売なら普通にあるようなんです。
自分の身に降りかかると相当腹立たしいのは確かですが、契約書にない瑕疵については業者が認めたがらないというのも理解できます、というか業界の風潮がそんな感じだと理解しています。
この記事で私が伝えたいのは、「内覧時にウザがられるくらい細かくチェックして引き渡し前に解決を図ることが買主に求められる」ということです。
内覧は買主・売主・仲介業者(場合によってはホームインスペクター)が一堂に会するため、買主の都合で時間が伸びるのは憚られる雰囲気があります。
しかしそれに臆してしまって向こうのペースに合わせてしまうと、今回のように細かなミスが後から出ても煙に巻かれてしまうことになります。
同時に必要なのは、疑える可能性のあることに関しては徹底的な下調べを内覧時までに終えておくことですね。
私がエアコンを取り付ける壁について信用せずに予めサイズを把握しておけば、内覧時にそれを突っ込んで引渡までに費用売主持ちでコンセントを移動させることもできたかもしれませんし、少なくとも取り付ける段階でドタバタすることはなかったでしょう。
結局売主はこちらから聞かなければ情報なんて何も与えてはくれません。
買主が当たり前だと思っていることでもしつこく確認して調べる作業が要求されているということが今回の件でわかりました。
個人的には、この業界に自浄作用を期待する方に無理があると思っています。
これを読んでいる皆様は私のようにならないよう、細かなところまで疑って内覧時に全て解決できるように是非ウザく立ち回ってくださいね!
以上です!