3級FP 金融資産運用

【FP3級入門】債券商品と格付け【金融分野解説その4】

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今回はFP3級金融分野の第4回目です。
前回は債券の概念と利回りについて解説しました。
今回は主な債券商品である国債と、債券商品のリスクや国債の格付けについて解説していきますのでよろしくおねがいしますね。

国債の種類。

まずは国債についてですが、前回でも少し触れましたが「国が発行する債券」を指します。
要は国の借金ですね。

三本松
三本松
ちなみに日本の国債残高は1000兆円くらいあります。
毒猫
毒猫
借金王じゃん。

日本国債には以下のような種類があります。

  • 中期国債2年満期のものと5年満期のものがある。
  • 長期国債10年満期
  • 超長期国債…20年・30年・40年満期などがある。
  • 個人向け国債…個人のみが金融機関の窓口などで買える国債。

ちなみに、直近で発行された10年満期ものの固定利付国債の最終利回りのことを「長期金利」と呼びますので、このワードは覚えておくといいでしょう。

三本松
三本松
ニュースとかで「長期金利」とだけ出てきたらこれのことです。

債券商品のリスク。

国債を含む債券にはリスクが存在します。
リスクと一口に言ってもいくつか種類がありますのでそれについて解説していきますね。

時価取引による「価格変動リスク(=金利リスク)」。

まず、債券を市場で売買するときにかかる「価格変動リスク」です。
市場で売買をする以上、その価格は当然その時々によって変動します。
そして、債券の価格変動は市場金利の上下によって起こるので、「金利リスク」と呼ばれたりもします

基本的に償還まで持ってさえいれば額面金額が返ってきますので、償還までの期間がごく近い場合には価格変動リスクは小さくなります
逆に償還までの期間が長い長期債のほうがこのリスクは大きくなることは覚えておいてください。

また、金利が高ければ市場価格が目減りしても金利でカバーできるため、高金利債よりも低金利債のほうがこのリスクが大きくなります

ちゃんと返せるの?「デフォルトリスク(信用リスク)」。

債券の発行主体が潰れてしまうと利息どころか元本が返ってこないという事態が想定されます。
この、発行主体の信用度によって出てくるリスクを「デフォルトリスク」といいます

これは発行主体が会社であっても国であっても起こる可能性があります。

三本松
三本松
以前アルゼンチンがやらかしたのは記憶に新しいところですね。
毒猫
毒猫
調べたら9回もデフォルトやらかしてんのな。

やらかしそうな国や企業はデフォルトリスクが高くなりますので、信用度の低い発行主体が発行する債券は市場価格が安くなり、その分利回りが高くなる傾向があります。

三本松
三本松
利回りが高くないと誰も買ってくれないってことですね。

国債特有の「カントリーリスク」。

こちらは国債(主に外国債)を買うときにあるリスクです。
デフォルトリスクと似たような感じですが、要は「この国ってちゃんと借金返せるの?」ということです。

大方の先進国であればある程度ちゃんと返せると判断されるのですが、新興国や後進国であればどうにも首が回らなくなる可能性が高くなります。
なので、信用度が低い国ほど利回りが高くなる傾向があります。

三本松
三本松
これも低い利回りでは誰も買わないということですね。

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債券の格付けについて。

債券の売買において、デフォルトリスクの目安となるものが「格付け」です。
これは民間の格付け会社が発行主体の財務状況や実績などを勝手に調べて勝手にランク付けしたものです。

ランクは格付け会社によって多少異なりますが、一般的なランクの例でいうと、

  1. AAA
  2. AA
  3. A
  4. BBB 

    ————————-

  5. BB
  6. B
  7. CCC
  8. CC
  9. C
  10. D

のような感じで表されます。

三本松
三本松
これに「+」とか「-」とか数字とかがついたりする場合もあります。

このうち、投資してもリスクを抑えられる「投資適格債」に分類されるのは「BBB以上」の債券です。
「BB以下」は「投資不適格債」と呼ばれ、ハイリスクな債券であるとされています。

毒猫
毒猫
BB以下はギャンブル性が高くなるんだな。

投資不適格債には他にも呼び名があり、「ハイイールド債」「ジャンク債」と呼ばれたりもします。
これらはほとんど同じ意味で使われますので、問題文などでいきなり出てきても混乱せずに「投資不適格債のことを指す」ということは覚えておいてくださいね。

毒猫
毒猫
ギャンブル性の高いものはちょっとイジった名前つけられるわけか。
三本松
三本松
ギャンブラーは言葉遊び好きだからね(偏見)。

格付けの低い商品は自ずと信用リスクも大きくなりますので、市場では買い叩かれ利回りは上昇します。
格付けが高ければ信用度も高いということなので価格が上がり利回りは下がる傾向があります。
まあこれは一緒ですね。

三本松
三本松
消費者金融や闇金がバカ高い利息つけるのと一緒です。

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債券とリスクの話まとめ。

  • 国債の商品にはいくつか種類がある。
  • 「長期金利」は「直近で発行された10年もの利付国債の最終利回り」を指す。
  • 債券商品のリスクは「価格変動リスク」「デフォルトリスク」「カントリーリスク」。
  • どれもリスクが大きいほど債券価格が下がり利回りは上がる。
  • 債券の格付けを勝手に行う民間会社がある。
  • 「格付け≒信用度」なので格付けが高ランクであるほど利回りは下がり、低ランクほど利回りは上がる。
  • 投資適格はBBB以上。
  • 投資不適格債≒ハイイールド債≒ジャンク債。

こんな感じです。

正直個人的には、債券は投資商品としてあまり魅力がないので覚えるのはダルいのですが、「信用度が低くなると価格が値崩れし、購入価格が安くなる分利回りが上がる」という原則は覚えておいてほしいところです。
この原則がわかってさえいればある程度選択肢は絞り込めるのではないかと勝手に思っています。

次回は株式についてやっていこうと思いますのでその際はよろしくお願い致しますよ。

以上です!

 

 

ABOUT ME
三本松
野良の1級ファイナンシャル・プランニング技能士。 副業として「三本FPラボ」経営。 北海道根室市出身、都内在住。 基本は零細メーカーで経理をやりつつ、金融機関に属さない野良FPとして日々勉強中。 無知故に若い時間とお金を無駄にしてしまった経験から、 過去の失敗などで学んだことを記事にして発信しています。