新築の建売住宅を購入した際、一般的には契約から引渡までの間に一度、売主や仲介業者と一緒に住宅の出来をチェックする内覧会が行われたりします。
私も色々調べていたつもりでしたが至らない部分がいくつも出てきたりしましたので、その反省を元にやっておけばよかったと思ったことを書き連ねていきますよ。
Contents
そもそも内覧会とは何ぞや?
内覧会とは、かいつまんで言うと購入した住宅のチェックのことです。
買った住宅について瑕疵がないかを調べて、瑕疵があれば売主に対してそれを指摘し、引渡までに直してもらうことができます。
その内容は本来多岐に渡り、壁紙や柱の傷、床のゆがみ、設備の不具合などもそれに含まれます。
しかし売主側としてはあまりその認識がなく、何も言わなければ設備の説明だけで終わってしまうこともあります。
この内覧会は売り主に対して不備を直させる最後のチャンスですので、買主としては売主側にペースを握られることなく色んなところに注意を払わなければいけないのです。
ただし、私も含め大抵の場合において買主は建築に関しては素人です。
そのため内覧会にはホームインスペクター(住宅診断士)を利用することをおすすめします。
ホームインスペクターは住宅における構造上の問題や浮かれた買主が見落としがちな傷なども割としっかり見てくれます。
私もホームインスペクターを利用しましたが、自分たちで見たら流してしまいそうな傷や、断熱材の抜けなどをきっちり指摘してくれました。
ちなみにホームインスペクターは【くらしのマーケット】 というサイトで探して依頼しました。
ここはホームインスペクターに限らず、家に関するいろんな業者を探すことのできるサイトです。
他にはテレビアンテナの設置やエアコンの取付などもお願いしました。
地域や施行日で検索したり、口コミなんかも見られるので結構重宝しています。
話は戻りますが、住宅の瑕疵についての検査はホームインスペクターに任せる場合でも、買主は単にボーッとしていていいわけではありません。
ホームインスペクターに任せたからと言って売主のペースで説明を聞いて終わりにしてしまうのはあまりにもったいないわけです。
というわけで「内覧時にこれをやっておくといいよ!」ということを簡単に説明していきますのでお付き合いくだされば幸いでございますよ。
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やること1.とにかく色んなところを測ってメモしておく。
物件を決める前の内見でも部屋の長さとかは測ったりすると思います。
しかしここに住むと決めた場合はもっと細かいところまで長さを測っておき、記録に残しておきましょう。
これをやっておくことで、引越しや家電設置の際に起こるトラブルなどをある程度避けることができます。
というわけで測っておくと便利な場所をいくつか挙げてみますよ。
階段周りは特に念入りに。手すりの幅も考慮しよう。
都内の戸建て(特に狭小住宅)で洗濯機や冷蔵庫などの大きいものを搬入する際に、入る入らないで確実に引っかかるのが階段周りです。
中でも冷蔵庫や洗濯機は重量もあるので、引越しの際にベランダ経由で吊り上げると追加料金がかかるだけでなく、場合によっては搬入を断られることさえあります。
ですので、特に階段周りは狭くなっている部分の計測は念入りにやっておくといいでしょう。
その際、壁から壁までの幅だけでなく、階段についている手摺から反対側の壁までの間も測っておきましょう。
大型家電の通る通らないの判断は一番狭いところの幅ですので、うっかり壁間の幅で見積もってしまうと搬入時に手摺を外す作業を自分でやらなければいけなくなります。
そして家電を搬入する際には通常、壁などに傷をつけないように養生を行うので、手摺から壁までの幅は家電の長辺プラス10cmくらい必要になります。
旧居からの引越しで搬入する場合も同じです。
階段を通らない家電を2階に運ぶ場合、あらかじめ通らないのがわかっていれば引っ越し屋さんにそれを伝えることでベランダから吊って搬入するオプションを用意してくれます(会社によっては取扱がないこともありますが)。
ちゃんと測って伝えておけば少なくとも引越し当日に「通らないので玄関先に置いときますね」という事態は避けられますので、家電の幅と階段の幅はしっかり測っておくことをおすすめしますよ。
ちなみに我が家では某大手引越し屋さんに頼みましたが、階段を通らない家具家電の対応はこんな感じでした。
- ベッドの枠(自分で分解したもの) → 引越屋さんがベランダから3階まで搬入。
- マットレス(シングル2つ) → 引越屋さんがベランダから3階まで搬入。
- 冷蔵庫 → 引越屋さんではできないので、その引越屋さんが同日に手吊り業者を手配。ベランダから2階に搬入(追加料金45,000円)。
ドラム式は階段通らなかったから結局縦型になったけど。
引越し業者さんにもよりますが、マットレスや分解済みのベッドの枠など比較的重くないものは基本料金内でベランダ搬入をやってくれることもあるようです。
重い家電はそうはいかないので結構な追加料金がかかります。
別の大手引越屋さんは手吊りは取り扱いがなくクレーン車のみで、我が家では前面道路が狭いという理由で丁重にお断りされました。
幅の計測が済んだら搬入の相談も早めにするのがいいと思いますよ。
エアコンを取り付ける壁の幅。実際に揉めたよ!
エアコンは壁に専用のコンセントがついていることが多いです。
そのため「コンセントはあるのに壁が狭すぎてエアコンが取り付けられない」ということを住宅購入の際に考える人はほぼいないと思います。
しかし、狭小住宅においてはそんな常識など通用しません。
実際に設計時に何も考えずにエアコン用コンセントと換気口をつけてしまう建売業者は存在します。
新築一戸建にエアコンを取り付ける際に起こった大問題。建売業者は何も考えていない可能性もあるよ!の話。
↑こんな目に遭わないために、エアコンを取り付ける予定の壁幅は測っておいたほうがいいです。
横につける場合は壁の端から窓枠の外側までの距離、窓枠の上に取り付ける場合は天井から窓枠の上側までの距離を測っておきましょう。
6~8畳用のエアコンを窓の横につける場合、取付幅は85cmあれば充分ですが、我が家のように80cm未満にされてしまうことも狭小住宅ではたまにあるようです。
6~8畳用エアコンの横幅は大体78~80cm、加えてメンテナンス用に壁からの距離で3~5cmほど見ておけば問題ありません。
これが78cm未満になってくると、横幅の小さい富士通ゼネラル製のエアコンしか選択肢がなくなります。
幅78cmで霧ヶ峰の取り付けができなかった私が言うんですから間違いありません。
一方窓の上にエアコンを取り付ける場合、通常の機種だと約30cm、コンパクトタイプだと約26cmほどです。
加えて、壁に引っ掛ける「かかりしろ」が3cm~5cmほど必要になりますので、それを踏まえた高さを確保できるかを測っておくといいでしょう。
また、窓の近くに設置する場合はカーテンレールなど別の家具と干渉することもあるので、その分の余裕があるかどうかも考慮しておく必要があります。
また、間取りによってはクローゼットの扉が干渉することもあるため、不安な場合は扉を開いたときの先から壁までの距離を測っておくのもいいでしょう。
図りすぎて困るということはないので少しでも気になったところは積極的に測ることをおすすめします。
カーテンレールやロールカーテンは付ける位置で測る場所が変わる。
新築の場合はカーテンレールなどはついておらず、オプションもしくは自分で購入して取り付ける必要があります。
そして何をどこにつけるかによって測るべき場所が変わってくるので注意が必要です。
特にロールカーテンやブラインドの場合は1cm単位でのオーダーメイドにすることもありますので、それを念頭に説明していきますよ。
窓枠の上に正面付けする場合。
まず、窓枠の上の壁部分にロールカーテンを取り付ける場合、窓枠よりも長さが短いとカーテンと窓枠の間に隙間ができてしまいます。
隙間ができてしまっては上に正面付けするメリットを殺してしまうことになりますので、窓枠より長いサイズにする必要があります。
ですので測るべきは「窓枠の外側の幅と高さ」ということになります。
そしてロールカーテンの布の幅は本体の幅より3cmくらい狭くなりますので、窓枠外側の幅よりも3cm以上長いものをオーダーするのがいいでしょう。
もちろんその長さでエアコンなどと干渉しない長さが確保できるかに気をつける必要があります。
ロールカーテンの縦の長さについては、窓よりどれくらい余裕をもたせるかは好みがありますので、ギリギリにならない程度に決めればいいと思います。
窓枠自体に天面付けする場合
ロールカーテンを窓枠自体の天面につける場合、ロールカーテン本体が窓の内側の幅より長くなってしまうと取付が物理的に不可能になってしまいます。
ですので、測るべきは「窓枠内側の幅」ということになります。
そしてここをきっちりと測った上で、それよりも少しだけ短いロールカーテンをオーダーすることになります。
尚、窓枠に天面付けした場合、どうしてもカーテンと窓の間に若干の隙間ができてしまいます。
こればっかりはどうしようもないので隙間が許せないという方は正面付けを選ぶしかないでしょう。
どういうふうに取り付けるかをまだ決めていない場合は窓枠の外側と内側両方測って記録しておくのがいいかもしれませんね。
洗濯機周りも入念に。
ベッドや冷蔵庫に次ぐ大型家電である洗濯機ですが、洗濯機置き場が実は小さいというのはよく起こる事態です。
測る場所については、横幅と奥行きはもちろん、意外と見落としがちなのは床から止水栓までの高さです。
スペース的には問題がなくても、いざ搬入する際に洗濯機本体と止水栓が干渉して設置ができないというパターンもあります。
そうなると工事で止水栓の位置を移動させる必要が出てきて、もちろんそれなりのお金が飛んで行きます。
洗濯機の高さギリギリだったりすると防水パンを設置したら干渉してしまうので、床からの高さは130cm以上は欲しいところです。
もし低かった場合引き渡しまでの間に止水栓の移動が可能かどうかその場で売主に交渉してみるのも手かもしれませんね。
可能性は低いですがもしかしたら応じてもらえるかもしれません。
家具を置きそうなところは全て測っておくのが吉。
新たに家具を買うにしても旧居の家具を持ち込むにしても、置こうとしている場所とサイズが合わなければどうしようもありません。
ですので、面倒ではありますが家具を置く可能性のあるところは全て幅、場所によっては高さも測っておくことをおすすめします。
この辺を適当にしておくと、いざ引き渡しとなった後に「あれが入らないこれが入らない」「壁が余って変な隙間ができて不細工」となってしまいます。
色んな所を測るのはなかなか骨が折れますが、後から揉めないように売主そっちのけで測り倒すくらいの気概が必要ですね。
内覧会でのスタンドプレーに抵抗がある方は、契約前の初回内見のときに測りまくるのがいいかもしれません。
新築物件の内見時には不動産屋だけで売主が立ち会わないことも多いので、そのほうが心置きなく測りまくれると思います。
やること2.写真を撮っておく。
まずは外観の写真。あると色々捗るよ!
まあ外観の写真は引き渡し前でも現地に行けばいつでも撮れますので焦る必要はありませんが、これを撮っておくと色々捗ります。
例えば新築では付属していないアンテナやエアコンを取り付ける際、取付業者さんに外観の写真を事前に見せておくと外壁の色に合ったアンテナや配管カバーなどを用意しておいてくれたりします。
外壁の色と合っていない設備だと家に帰るたびにちょっと気になってしまったりするものですので、こういった打ち合わせが事前に進むのは地味ですがいいことだと思いますよ。
部屋の写真も撮っておくと便利。
これもまたエアコンの話なのですが、私のときには業者さんから「エアコンを設置する場所の引きの写真がほしい」と依頼されました。
引渡より前だったので時間をもらい、結局は引き渡しの後に慌てて写真を撮って写真を見せることになったのですが、これを見せることで事前にある程度精度の高い見積をもらうことができます。
具体的には、
- 室内機を設置する壁を含む引きの写真(天井と床が写り込む程度)。
- エアコン用コンセントの形がわかる写真。
- 室外機を置く予定の場所の引きの写真。
の3種類があるといいです。
コンセントに関しては、売主がトンチンカンなソケットを取り付けていた場合に交換が必要になりますので、交換の要否を判断するのに使われるようです。
写真無し、ぶっつけ本番で取付もやってはくれますが、その場合当初の見積りと実際の請求金額が変わってくる場合がありますので、安心を買うという意味ではなるべく早い段階で写真を見せておくといいでしょう。
また、エアコンに限らず窓まわりの写真を撮っておくことで、壁面の出っ張りがカーテンレール取り付けの邪魔になるとかの情報が一目でわかったりしますので、引き渡し前に業者を入れる場合は写真があると色々捗りますので是非撮っておくといいですよ。
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やること3.忘れがちな外構をチェック。
内覧会で見落としがちになりますが、家の中だけでなく外構、特にブロック塀などがあればそちらもしっかりチェックしておきましょう。
新築物件といえども、周りのブロック塀については売主はノータッチの場合が多いです。
実際に我が家ではいつ建てられたかもわからないボロッボロのブロック塀がそのままになっていました。
上のブロック塀について売主に訪ねたところ、
と他人事でした。
ちなみに隣のアパートの大家さんにも聞いてみましたが、大家さんが家を建てたとき(推定数十年前)には既にあったそうです。
このブロック塀は全て我が家の敷地内のもので、全員がスルーして引渡まで済んでしまったため、建て替えるとしたら完全に我が家の負担になります。
これを放置して事故があった場合はもちろん我が家の責任です。こわい。
内覧会のときにきちんとチェックしていれば、建て替えは無理にせよ引渡までの間に修繕くらいはやってもらえたかもしれません。
私は内覧会のときにホームインスペクターを利用しましたが、インスペクターは基本的に家屋のみの調査なので外構は守備範囲外です。
みなさんもこんな目に遭わないよう外構もきちんとチェックしておきましょうね。
このブロック塀の件は、ホームインスペクターを間に入れて安心しきっていた我が家にとっての最大の反省点となりました。
やはり内覧会を売主のペースで進められてしまうのは百害あって一利なしですね。
新築一戸建て購入時の内覧会でやるべきことまとめ。
新築一戸建て、引渡前の内覧会でやるべきことはざっくりと
- とにかく測る。
- とにかく写真を撮る。
- とにかく外構をチェック。
の3点です。
建物自体の構造的な問題は素人が見てもわかりませんし、細かなチェックなどはホームインスペクターに任せてしまうほうが賢明です。
実際に我が家ではインスペクターの人が、我々が気づかないような細かな傷や施工不良を次々見つけてくれました。
その上でなお、内覧会を売主ペースに任せることはせず、鬱陶しがられようと上記3点を遂行する気概が必要になります。
内覧会をさっさと切り上げて得するのは売主だけです。
買主側でできることはしつこくチェックし、是非ウザがられて下さい!
以上です!