FP3級タックス分野解説の続き、今回はタックス最終回です。
長かった…。
前回まではタックス分野のメインである所得税をやってきましたが、住民税と事業税についても少し出る可能性があるのでこちらも見ていきますよ。
個人住民税について。
前回まででたっぷりやった所得税は「国が個人に課す税金」でした。
しかし個人に課税するのは国だけではありません。
地方自治体も個人に対してしっかり課税してきます。
都道府県税や市町村民税、特別区民税がそれにあたり、総称して「個人住民税」と呼ばれます。
個人住民税の納税義務者は、「その年の1月1日に住んでいる人」となります。
そして課税されるのは「前年の所得に対して」です。
よく野球選手とか芸能人が「お金使っちゃって住民税払えない!」というエピソードを口にするのはそういうことです。
例えば2024年4月に根室市から東京に引っ越した場合、2024年1月1日の住所地は根室市ですので住民税は根室市に納めます。
税額については、前年である2023年の所得に基づいて計算されることになりますね。
そして住民税の課税方式は所得税と異なり「賦課課税方式」を採用しています。
所得税のように確定申告で申告納税するのではなく、自治体が税額を算出して納税通知書や納付書を送付し、納税者はそれを持って支払いに行くのが基本です。
ってことは例外があるのか?
実は会社員や公務員などの給与所得者はここでもしっかり補足されていて、納税通知書は会社に送付されます。
そして会社は月々の給料から住民税を天引きして代わりに納付します。
これを「特別徴収」といいます。
特別徴収とごっちゃにならないようご注意ください。
個人住民税の中身についてですが、これは2種類あり、「均等割」と「所得割」に分かれます。
均等割は所得にかかわらず定額で課税されます。
金額は自治体によって変わるはずなのですが、とりあえず1人年間5,000円と覚えておけばいいと思います。
所得割は前年の所得をもとに計算され、都道府県民税が6%、市町村民税が4%の合計10%が課せられます。
住民税に関してはこんなところです。
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あんまり出ないけど一応「個人事業税」。
タイトルにも書きましたが、3級では事業税はあまり出ません。
ただしっかりと範囲には入っているためとりあえず軽く触れておきます。
個人事業税の課税主体は都道府県なので、「地方税」の一種として課税されます。
事業税の計算方法は、
個人事業税額 = (事業所得及び不動産所得 – 各種控除 – 事業主控除290万円) × 5%
で覚えておいて構いません。
厳密には業種により3%、4%、5%と種類がありますが、基本的には5%だと思っておいてください。
個人事業税は賦課課税方式で、確定申告の内容に基づいて翌年8月頃に納付書が送られてきます。
それを一括で支払うか、8月・11月の2回に分けて支払うことになります。
個人事業税には「青色申告特別控除」の適用はありませんが、事業主控除として一律290万円の控除額が設定されています。
所得が290万円に満たない場合は納税義務がありません。
各種控除については以下のようなものがあります。
- 青色申告専従者に支払った給与(適正な実額)。
- 白色専従者控除額(上限:配偶者86万円、その他は50万円)。
- 青色申告による準損失の繰越控除(上限3年間)。
- 被災事業資産の損失の繰越控除。
- 事業用資産の譲渡損失の控除とその繰越控除。
個人事業税に関してはこんな感じです。
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住民税・事業税のまとめ。
- 住民税は1月1日の住所地において、前年分の所得に対し課税される。
- 6月くらいに納付書が送られてくる賦課課税方式。
- 住民税には均等割と所得割がある。
- 均等割は一律定額(東京都は5,000円、他も大体それくらいの金額)。
- 所得割は所得金額の10%。
- 所得控除の額は所得税と微妙に違うが3級では覚えなくてOK.
- 事業主は4回に分けて支払う普通徴収。
- サラリーマンは給与天引きの特別徴収。
- 個人事業税はほとんどの業種が5%。
- 事業主控除は290万円。
- 青色申告特別控除はないが、青色申告の特典はそこそこある。
こんな感じです。
というわけで9回にわたって書いたFP3級タックス分野は今回で終了です。
所得税については覚えることが結構多いので特に注意して勉強してくださいね。
次回はまで決めていませんが、私の昔の得意分野だった金融商品分野について書いていこうかなーとぼんやり考えています。
一つ注意点があるとすれば、このブログは基礎知識を学ぶのには一定程度の情報量があると勝手に思っていますが、試験の合格を目的とするのであれば問題集を1冊買っておいたほうが絶対いいです。
特にどれがいい悪いというのは3級ではあまりないのですが、試験に際して問題集をやり込んでいないとパターンを把握できていない分余計に時間を使ってしまったり、問題の理解が遅れたりするので1冊は買ってやり込むことを強くおすすめしますよ。
以上です!