最近我が家では家を買おうという話を進めている最中です。
その中で「マンションと戸建てどっちがいいのか?」という議題が上がりましたので、今回はそのへんを記事にしてみましたよ。
都心部の誤解。バカ高いのは戸建てではなくマンションの方だった!
東京都心に住む我が家にとって、都心での戸建てというのは夢のまた夢だと勝手に思っていました。
東京都心で戸建てに住めるのは昔から住んでいる人や一部の成り上がったお金持ちだけだと思っていたわけですね。
ところが家を買う話をすすめるにあたり色々調べてみると、逆にマンションのほうが高いという事実を突きつけられてしまう結果になりました。
住んでいる地域がバレるとあれなので細かい情報は伏せますが我が家の希望条件は以下のとおりです。
- 東京23区内(わりと都心の方)。
- 所有権(「借地権とかバカじゃね?」という感覚)。
- 新築または築浅。
- 間取りは3LDK(2SLDKでも可、最悪1SSLDKでも)。
- 子供のことを考えると床面積70㎡くらいは欲しい。
- 治安のいい立地。
- それなりの海抜(マンション・戸建て問わず)。
- 窪地は嫌。
- 川沿いは嫌。
- 土地の区分所有割合がゴミみたいになるタワマンは不可。
こうやって書き出してみると、「子供の安全」「水害の回避」の優先順位が高いことがわかります。
職場に通える範囲でこれらの条件に合う物件を探すと、やはり候補となってくるのが23区西部です。
東京23区は基本的に関東平野の海抜の低い部類なのですが、その中でも台地みたいな感じで若干海抜の高い地域が西部の方なんですね。
境目は京浜東北線なんていう話も聞いたことがあります。
そんな中で候補に上がったのは新宿区、中野区、文京区あたりなんですが、私の予想とは違い、マンションよりも戸建ての方が平米単価が安いという結果になりました。
というよりもマンションは新築中古問わずバカ高いというのが本音です。
景気が悪化したら新築マンションは一戸あたりの床面積減らして戸数増やしてカバーしていくんだと思う。
私が検討している地域では、区分所有であるにも関わらず床面積の平米単価がマンションのほうが3割くらいも高く設定されています。
マンションに係る土地の所有権なんてゴミみたいなもんなのにそれで割高とかもう意味がわかりません。いずれ取り壊すんですよ??
とまあここまでただの愚痴なんですが、都内で家を買うにあたって戸建てとマンションのどちらがいいのか自分なりに考えてみましたので今回はそれについての記事です。
私のように「都心に住むならどうせマンション一択!」と思い込んでしまっている方の参考になれば幸いでございますよ。
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マンションのメリット・デメリット。
まずは都内に家を買うにあたって最有力とされているマンションについてのメリット・デメリットについて書いていきます。
ほとんど主観で書いていますので細かいところは突っ込まないでくださいね。
マンションのメリットは利便性とセキュリティ。
メリット1.管理が楽ちん
これは現在マンション住まいなのでよくわかりますが、専有部分はともかく共有部分に関しては住人は特に何もしなくていいという点です。
部屋を一歩出てしまえば自分で管理する必要がなく、気になったところがあったとしても管理会社に言えば大抵のことはなんとかなってしまいます。
敷地内によそのゴミが捨ててあろうと外壁に落書きされていようとも管理会社がなんとかしてくれます。
また、管理人常駐のマンションであれば24時間好きなときにゴミ置き場に出しておけばゴミの日に勝手に収集場所に出してくれたりもします。
めんどくさがりの都会人のライフスタイルにバッチリ適応してくれるところはマンションのこの上ないメリットと言えるでしょう。
メリット2.比較的安全性が高い。
これはマンション派の妻の言い分なのですが、最近のマンションはエントランスにオートロックが搭載されているので不埒な輩が家のドアの前まで来ることを防げるというものです。
確かに女性や子持ちの方にとってはオートロックはかなりの安心材料です。
これはマンションの大きなメリットとして享受できるでしょう。
メリット3.同じ所得帯の世帯が集まり価値観が共有しやすい?
これは中所得帯以上のマンションについてだけのメリットですが一応書いておきます。
マンション、特に新築で売り出される分譲マンションは、その棟の中ではある程度一貫した価格帯が設定されています。
マンションの価格帯は概ね地域差である程度決まってきますので、同じマンションの中にいきなり生活水準が大きく異なる世帯が紛れ込む確率はかなり低くなります。
逆に一戸建ての場合だと、その地域に住む人の中には住まいを親から相続しただけで所得帯の異なる世帯が元々住んでいたりもします。
隣人に変わり者がいた場合に詰んでしまうのは一緒ではあるのですが、同価格帯で一斉に売り出されているマンションのほうが所得水準が近く、価値観の全く違う人の隣人になる確率を下げられるというメリットがあるらしいです。
ド底辺の20代を送ってきた田舎者の僕にはあまりピンときません。
メリット4.大きい道沿いにあるので近場に色々揃っていることが多い。
法律や条例の関係で、マンションのような大型の建築物は前面道路の幅が狭いと建てることができないみたいです。
そのため必然的にマンションは大通りに面していることが多いです。
お店とかも基本的には大通りのほうが揃っているため、一戸建てに比べると近場にお店や施設などが揃っています。
もちろん物件にもよりますが、狭い道沿いに建てられていることの多い一戸建て住宅よりはお店や施設へのアクセスが容易な傾向があります。
マンションのデメリットはお金と未来。
デメリット1.とにかく価格が高い。
これは上でも述べたように、床面積あたりの単価が意外にもマンションのほうが高いです。
都心の一戸建てなんて億は下らないと思っていましたが、3階建てのいわゆる狭小住宅であれば都心で5000万円台とかも結構あります。
狭小住宅と言っても床面積はマンションと変わらないかむしろ広いです。
そしてマンションではもちろん土地に関しては持分割合のみ設定され専有ではありません。
こうなってくるとやはりお得度で考えるなら戸建ての方がいいような気もしてきます。
ここ10年以上、新築マンションの価格は上昇傾向です。
その理由は好景気でもなんでもなく、建築資材の高騰が理由と言われています。
ですのでコロナ禍での景気後退による安値買いというのもあまり期待できないでしょう。
デメリット2.修繕積立金が上昇していくのに足りるかわからない。
マンションを購入すると必ずついてくるランニングコストが「管理費」と「修繕積立金」です。
これはマンションを新築で買う時点では安めに設定されており、年数を経ると段階的に上がっていく仕組みになっているそうです。
築20年とか過ぎてくると管理費と修繕積立金で「もう家賃じゃん!」というくらいの金額を毎月取られていきます。
そしてこの修繕積立金ですが、マンションの管理組合がちゃんとしていないと、積立金では修繕が足りないという事態も起こり得ます。
その場合には一時金まで徴収されたりもするようです。
最悪管理組合の偉いさんが着服とかいうこともあるみたいですね。
もう何にお金を払っているんだかわからなくなりそうです。
デメリット3.建物に寿命が来たらどうするの問題。
最近のマンションは100年は保つと言われていますが、実際に建物に限界が来たら建替えをするしかありません。
しかしこれがなかなか厄介で、建替えにはマンション住民の(確か)5分の4以上の同意が必要だったと思います。
100年近く経ったマンションですから、そこに住んでいる人たちの家族構成も様々です。
中には「俺が死んだあとにしてくれ」と建替えを拒む高齢者もそれなりにいるでしょうし、誰も住んでいなくて相続人とも連絡がつかないなんてこともあるでしょう。
正直建替えの合意形成ができる気がしません。
デメリット4.外出が億劫になる(高層階限定)。
これは実際にタワーマンションに住んでいる知人の証言です。
マンションの高層階へのアクセスは基本的にエレベータです。
もし住戸数に対してエレベーターの数が充分ではない場合、そのたびに待ち時間が発生します。
低層階であれば階段でササッと上がっていくことも可能ですが、10階とか20階になってくるとそうもいきません。
実際にタワーマンションでは通勤時間帯などでは、エレベーター渋滞が起こり敷地外に出るまで10分~20分以上待たされることもあるんだそうです。
その知人は結局外出自体が面倒になり、休日は専ら家でゴロゴロしているそうです。
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一戸建てのメリット・デメリット
方や一戸建てについてはどうでしょうか。
マンションの項目とかぶる所も多いですが強い心で書いていきますよ。
一戸建てのメリットはなんと言っても自分で全て決められること。
メリット1.所有権がはっきりしている。
土地と建物を一人で買うわけですからこれは当然です。
区分所有等はなく不動産の権利関係がはっきりしていてわかりやすいのはそれなりのメリットと言えるでしょう。
メリット2.床面積あたりの単価が少し安い。
都心部しか見ていませんが、意外と戸建ての方が今は安いようです。
まあここ10年マンションの価格が上昇傾向にあるなか、戸建てのメインとなっている木造建築のコストが横ばいで推移しているため価格も横ばいな分相対的にマンションよりも割安となっているのが原因ですね。
メリット3.自分の意向で全てを決められ、自由度が高い。
マンションは共用部分に関して区分所有者ができることはほぼありません。
管理組合やら理事会に入って意向をある程度反映させるのが関の山です。
マンションでは困難な建替えなどの意思決定も自分と家族の意向ですべて決定できるというのは地味ですが大きなメリットです。
マンションも戸建てもいずれは老朽化して建替えの必要に迫られるのは確定していますし、その際に建替えの合意形成が図れるかどうかというのは結構重要です。
戸建を建て替えるのに経済的な余裕がないのであれば当座の修理に切り替えることも容易ですし、意思決定の迅速さは区分所有では実現し得ません。
子供の代になって住まなくなった場合の処分についても老朽化したマンションよりも格段に楽です。
マンションは古くなると買い手はつきにくいですが、戸建てであれば更地にすることでリリースも容易になります。
少なくとも売れない不動産の維持費を否応なく子供に支払わせるといった悲惨なことにはならずに済むというのが(都心の)戸建てのメリットです。
祖父が原野商法で買った土地どうしよう…。
メリット4.積み立てたお金をきちんと自分の家のために使える。
一戸建てでもマンションでも修繕のための積立金は必要になります。
しかしマンションでは修繕積立は年々上がっていく割に、いくら貯まっているのかやどう使われているのかなどは一区分所有者にとってはブラックボックスも同然です。
逆に戸建の場合は貯める額も溜まった額も自分で管理するので状況が一目でわかります。
そして貯まったお金は全て自分の家のために(極端な話をすれば家じゃなくても)使うことができます。
もちろん自分が貯めた分しか修繕はできないので強い意志は必要ですが、少なくとも他人に着服されるという地獄だけは避けることができます。
私が調べた限りでは、積立すべき金額については物件によって差はあれど月2~3万円くらいあれば足りるのではないかと思います。
これもマンションの管理費・修繕積立金を合わせた額に比べれば安いですね。
しつこいようですが、これは誰かに支払う積立金ではなく所有者が自分で積み立てるものですので強い意志でしっかり貯金することが大事です。
メリット5.出口がイメージしやすい。
不動産を買ったあと気になることの一つは、買った不動産が負動産になってしまわないかということです。
立地にもよりますが、私が検討している都心部に関して言えば一戸建てのほうが出口戦略に幅が出て処分しやすいのではないかと思います。
もちろん死ぬまでそこに住むつもりであれば売ることなど考えないという方もいるかも知れません。
しかし自分が死んだあとに相続するであろう子供などのことを考えると、なるべくなら出口が見えている方がいいと個人的には思います。
例えば40年後くらいに自分が死ぬとした場合、子供が既に独立して自分の家を持っているのであればその家は売るか貸すかを考えます。
これがマンションであった場合、築40年のマンションが簡単に売れるかというとなかなか難しいのではないでしょうか。
もちろん立地条件が良ければ買い手も見つかりますが、少子高齢化は今より進んでいるでしょうし、築40年を過ぎたマンションが買い物件の候補上位に上がってくるとは正直思えません。
そうするとマンションは賃貸に出すしかなくなるわけですが、人に貸している間も築年数は嵩んでいきます。
その間に修繕積立金は更に上がり、逆に見込める賃貸収入は下がり続けます。
そしていよいよになってくるとマンションの管理もおぼつかなくなり借り手すらいなくなっていくでしょう。
その間も維持費はかかっていきます。これぞ負動産。
末期にはもちろん建替や取り壊しなどの提案もあるでしょうが、その頃には住民の代替わりや中古での購入者などで希望はバラバラ、最悪誰も住んでいなくて名義人と連絡がつかなかったり意思決定も困難です。
そんな状況がありうるのがマンションなんですね。
一方戸建てであれば土地の所有権は専有ですので、家が使い物にならなくなっても建替や取り壊しの意思決定は相続人だけで済みます。
単独で相続させれば相続人間の調整すら必要ありません。
自分が死ぬ際に相続税分と取り壊し費用くらいの現金を残して死ねれば子供は出口に困ることはないでしょう。
土地の売値を欲張りさえしなければササッと売ってランニングコストから逃げるのが容易です。
子供に迷惑をかけたくないということであれば、出口がある程度決められる一戸建てを選ぶのがいいのではないでしょうか。
一戸建てのデメリットは何でも自己責任ということ。
デメリット1.トラブルが起きても誰も何もしてくれない。
一戸建ての所有者は基本的に自分一人です。
ですので何かあっても自分で調べてなんとかしなくてはいけません。
例えばゴミひとつとっても、マンションであればエントランス前にゴミがあったら管理人さんが掃いて捨ててくれます。
一方戸建てでは自分の家の前にゴミがあれば自分で片付けなければいけません。
路上にゴミを捨てて去っていく輩がよくいる荒れた地域ではこのストレスは甚大なものでしょう。
あとはマンションでは共有部分にあたる部分に関しては壊れても住人が特に何かする必要がないのに対し、戸建てでは自腹で修理をするしかありません。
これは住人が自分の世帯だけなので当然ですね。
こんな感じで住居に関するトラブルは自前で解決するという労力が地味に発生するというのはなかなかのデメリットと言えるでしょう。
デメリット2.安心・安全も自力で構築する必要がある。
マンションであればエントランスのオートロックである程度担保されている安全性も戸建てではそうもいきません。
誰でも通行できる道路に面している以上、不遜な輩が自分の家の前まで来てしまうことを防ぐのは困難だからです。
そんな事態に陥らないためには、地域の治安やご近所さんなどを買う前にチェックするなど自前での防衛策がマンション以上に必要になってくるわけです。
家を買う際に不動産屋さんや売り主が「この辺ヤバイやつ多いですよ」なんて言ってくれるわけがありませんから、買う前の下見から安全性の構築が始まることになります。
仕事などで不在がちの人は置き配で届いた荷物が盗まれたりしないよう個人用宅配ボックスを設置したり、ベランダや窓から侵入されないよう内側からのロックを買ったり気を回さなければいけないことはマンションに比べて多いのはそこそこ大きなデメリットと言えるでしょう。
デメリット4.そもそも躯体が弱い。
個人の住宅の場合はほとんどが木造建築です。
一方のマンションは鉄筋コンクリートがメインですので、建物自体の強さは明らかにマンションの方に軍配が上がります。
大昔に建てられたマンションはともかく、最近のマンションであれば仮に大地震が来ても建物が倒壊することはないと言われています。
逆に一戸建て、特に都心の狭小住宅に多い細長い3階建てなどでは地震への耐性に不安が残ります。
もちろん現在の木造建築も耐震性能は一定程度担保されていますが、元々鉄筋コンクリートに比べて耐用年数は短いこともあり、どの性能がマンションよりも速く失われていくことになるでしょう。
メンテナンスを怠っているとさらに速くガタが来てしまうということもあり得ます。
また、木造建築には湿気や水分などは天敵のため、近年多くなっている大雨などにより床上まで浸水してしまったときの建物へのダメージもマンションに比べて大きいと言われています。
屋根や外壁なども定期的にコーティングするなど家の寿命を伸ばすための手間はかなり多いでしょう。
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マンション・一戸建てのメリット・デメリットまとめ。
素人目線で色々書いてきましたが、それぞれの特徴をまとめてみると下のような感じです。
一戸建て | マンション | |
購入価格 | 平米単価は割安 | バカ高い |
所有形態 | 専有 | 土地共有、建物区分所有 |
防犯面 | 扉1枚でやや不安 | オートロックは神 |
生活水準 | 近所でバラバラ | 割と一定 |
利便性 | 路地の分やや劣る | 比較的便利 |
管理 | 自己管理 | 丸投げできて楽 |
積立金 | 自分で使い道を決められる | お金を払って人任せ |
建替などの意思決定 | 自分で決められる | ほぼ揉める |
躯体強度 | 弱い | 頑丈 |
簡単に言ってしまうと、
- 現在の利便性をお金で買い、諸々を割増料金で解決するのがマンション。
- 手間ひまかけて自分で計画し、土地の将来を買うのが一戸建て。
といったイメージに落ち着きました。
マンションと一戸建てのどちらがいいかはそれぞれの価値観なので何とも言えませんが、これくらいの違いを把握した上で家選びを進めていけば絞りやすくなっていくかもしれませんね。
以上です!