ブラック回避

求人の募集要項には嘘ばっかり。時給計算したらはボーナス込みで657円だった。【ブラック税理士事務所の話その1】

帳簿01

昔勤めていたブラック税理士事務所のことを思い出したのでそれを記事にしてみます。

全ての事務所がそうというわけではありません(むしろ少数派)が、世の中にはこんなクソブラックな税理士事務所があるんだと下を見て安心していただければ幸いでございますよ。

ブラックを辞めた先はもっとブラック。止まらない黒ループ。

ブラックな不動産屋(←これについてもいずれ記事にする予定です)を1ヶ月で退職した私は、資産があるわけでもないので次の職場を探していました。

それまで渡り歩いてきたブラック企業たちでは、内勤の人は割とちゃんと帰っているところを見てきたので、次は営業職をやめて内勤を狙ってみようと考えたのですね。

そこで目についたのは税理士事務所です。
「税理士事務所なら税理士補助の仕事で100%内勤だしブラックな営業はあるまい」と判断し、いくつかの募集に応募してみることにしました。

毒猫
毒猫
毎度のことだけど思考が単純だね。

税理士事務所に応募するのに手ぶらではいかんと思い、近くのマックで2ヶ月ほどバイトしながら簿記3級を取得しました。
と言っても2ヶ月ちゃんと勉強していたわけではなく、受験票が届いてから慌てて勉強を始めるという体たらくです。

毒猫
毒猫
クズじゃん…。
三本松
三本松
2級も併願したけどそりゃ落ちるよね。

正直、社会経験のある大人であれば日商簿記3級は1週間本気で勉強すれば受かります。
2級はもう1週間くらい必要ですが…。

ともかく日商簿記3級という頼りない武器を手に税理士事務所や会計事務所の求人に応募することにしました。

まあお察しの通り、そんな武器では新卒でもない未経験者を雇う事務所などそうそうありません。
そんな中、1ヶ所だけ未経験者の応募ができるという税理士事務所をハローワークで発見しました。
もちろん私は1も2もなくそこに応募し、即日採用されました。

それが新たなブラック事務所であることなど知る由もありません。

求人票の内容は全部嘘。八掛けで見ていた私も流石に仰天。

ブラック企業は得てして、求人の内容と実際の待遇に乖離があるものです。
無知な当時の私もそれくらいのことは身に沁みてわかっていたので、求人内容に多くの期待は持っていませんでした。

それでも書いてあることがことごとく大きい嘘というのはここが初めてでした。

勤務時間9:00~17:00 → 9:00~23:00

勤務初日、結構な量の仕事が振ってきたので「初日から残業か…」と思いつつ必死に仕事をこなしていきます。

気付くと時刻は20:30を回っていました。
振られた仕事を終えたのでとりあえずその日は21時前に上がって帰宅しました。

特にその時は何も言われませんでしたが、次の日に出社すると開口一番、

ボス
ボス
昨日はお前一人さっさと帰っちまったけど…

 

という不必要な嫌味をつけて話を始めました。

そのときにこの事務所がブラックであることを察し、

三本松
三本松
長居するところじゃないな

という確信を持ちました。

結局2日目からは帰宅時間の平均が23時以降となりました。
借りていたアパートはまさに寝るためだけに帰る状態です。

各種手当あり→残業代すらつかない

かくして2日目から23時までの残業がほぼ義務付けられたのですが、残業代が支払われるのであれば時間を売って金にするという意味ではまだ我慢できます。

しかし私はここがブラックである確信は既に得ていたため、残業手当はないであろうという予想はしていました。
そして予想通り給与明細を何度確認しても残業手当はついていませんでした。
月のサービス残業時間は優に100時間を超えます。

求人内容の「各種手当あり」は全くの嘘で、何一つ手当というものは存在しません。
それどころか社会保険もなく住民税も普通徴収で、労働保険までカットされるという意味のわからない職場でした。

三本松
三本松
多分労災も入ってなかったでしょうね…。
毒猫
毒猫
違法じゃん。

初任給25万→19万

求人には月給25万円~と記載がありました。
同時に「未経験者歓迎」の表記もありました。

しかし出勤3日目あたりにボスから放たれた一言は、

ボス
ボス
給料のことだけどさ、未経験者だから19万にしたから。

後出しで給料を減らしてくるというパワープレーを披露してくれました。

正直な話、未経験で25万スタートというような待遇はこのブラック具合ではありえないとは思っていたので減額自体は予想はしていました。
しかし、なんやかんや理由をつけて削られてもせいぜい3万くらいと高をくくっていたわけです。

しかし蓋を開けてみるとまさかの建前なしでの6万円(24%)カットです。

三本松
三本松
25万円~の「~」とは何だったのかと小一時間問い詰めたい。蹴りながら。

ここから辞めるまでの2年11ヶ月、仕事しかしていないのに金が貯まらないという無間地獄に突入しました。

完全週休2日制 → 土曜の休みは第2・第4だけ

ボス
ボス
うちは土曜は休みだけど第2と第4以外は出勤だから。

これは入社初日に言われた迷言ですがいきなり意味がわかりません。
「土曜は休みだけど」ってつけなくてもいいよね?

繁忙期の土曜出勤、場合によっては日曜出勤も覚悟していましたが、平時の土曜出勤は全くの不意打ちでしたね。しかもこちらも建前なし。
ここまで来るともう求人広告の内容はもうポエムと同義です。

祝日は休みの記載がありましたが、こちらも半分くらいは出勤していた気がします。
休みかどうかは私の仕事具合ではなく、ボス自身の仕事の進捗が良ければ休み、そうでなければ出勤と直前に決まるため休みの予定など立てられたものではありません。

年間休日は確か120とか130日くらいで書いてあった気がしますが、実際の休みは80日程度かそれ以下でした。
もちろん休日出勤手当もありませんよ。

平日だけで月に100時間を超えていたサービス残業ですが、休日勤務と休日残業を入れると150時間を超えてしまいました。

ボーナス年3回(実績4ヶ月分) → 年3回(1.8ヶ月分)

ボーナス年3回ということに間違いはありませんでした。
しかし珍しく求人広告に本当のことが書いてあったと喜ぶのは早計です。

税理士事務所で確定申告後の月にボーナスが出るというのは珍しくはありません。
それ自体はありがたいことなのですが問題は総支給実績です。

3回に分かれるとしても4ヶ月分出るのであれば待遇としてはいい方でしょう。
しかし実際に支給されたのは、

  • 夏 15万円
  • 冬 15万円
  • 4月 4万円

お断りしておくとこれは初年度のボーナスではありません。
初年度は在籍期間の短さで減額や不支給が当たり前ですからね。
上の数字はそれぞれ最後にもらったボーナスです。

三本松
三本松
8月に働き始めて最初の冬のボーナスは2万でしたから。

月給19万に対してボーナス総額34万円、月数換算だと1.8ヶ月未満です。

こちらも4ヶ月は期待していませんでしたが、1:1:1くらいはもらえると思っていました。
実態は0.8:0.8:0.2ですからね、ぐうの音も出ません。

もちろん、ボーナスの出ない職種もあるのでもらえるだけありがたいだろうと言われてしまえばそれまでですが、

なら求人に書くなよと。

それに月のサービス残業100時間オーバーの対価にも満たない金額ですからね。
ありがたいなんて気持ちが湧くわけもありません。

 

他にも昇給年1回→0回など細かいところはまだありましたが、メインどころはこんなところです。

当時の年収は 月給19万×12ヶ月+ボーナス34万=262万円

三本松
三本松
地方じゃないですよ、都心です。

驚きの時給は 262万円÷(出勤日数年間285日×14時間)≒657円です。

三本松
三本松
地方の高校生じゃないですよ、都心の大卒20代です。

ブラック税理士事務所その1まとめ

求人の嘘だけで3,000字も書いてしまいました。まとめると、

  • 労基法もなんのその、労働時間は1日最低14時間。
  • 残業手当なにそれおいしいの?
  • (後出しで減給するから)未経験者歓迎。
  • 完全週休2日制は第1・3・5土曜には適用されない。
  • 祝日も気分で出てもらうよ?
  • ボーナスは余所より少ないけど3回に分けてあげるから得でしょ?

こんな感じです。

まあブラックと確信した時点でこの事務所には長く世話になる気はなくなりましたので、他の会社に転職するための踏み台として利用する以上の価値は求めるのをやめました。

今回の話はこれで終わりですが、次回以降は踏み台利用もきつくなる境遇が待ち受けていましたのでそれらについて記事にしていく予定です。

今回の記事を書くにあたって当時を思い出して怒りが湧き上がってきましたが、冷静さを取り戻し次第書いていきます。

毒猫
毒猫
身を削ってるねぇ。

もしこの記事を読んで、

どこ行ったってそんなもんだろ!うちもそうだよ!

と感じる方がいましたら、多分それが普通なのではなくその方がブラックに洗脳されている可能性が高いです。
転職サイトを利用して外の世界と比較してみるのもいいかもしれませんよ。

 

以上です!

帳簿01
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三本松
1級ファイナンシャル・プランニング技能士。 三本FPラボ経営。 北海道根室市出身、都内在住の妻子持ち社畜。 零細メーカーで経理をやりながら野良FPとして勉強中。 無知故に若い時間を無駄にしてしまった経験から、 過去の失敗などで学んだことを記事にして発信しています。