2024年10月1日、ついにネット銀行を含む多くの銀行で住宅ローン基準金利が引き上げられましたね。
我が家もご多分に漏れず来年1月返済分からの金利が上昇することになりました。
ちなみに今回利上げするまで、我が家が借り入れた後も銀行は優遇幅を広げて新規借り入れの金利を下げ続けてきました。
優遇幅は借入時に確定してしまうため、新規の優遇幅を広げて金利を下げても既存の顧客には恩恵はなかったのですが、今回は優遇幅の縮小ではなく基準金利の引き上げなので既存顧客も丸ごと引き上げられることになります。
で、金利上昇局面でよく出る話に「5年ルール」と「125%ルール」というのがあります。
今回はこれについて色々調べてみましたのでお付き合いいただければ幸いでございますよ。
※今回の記事は我が家で利用している「auじぶん銀行」の変動金利住宅ローン(元利均等返済型)の情報を元に解説しています。他の銀行においては若干ルールが違っていたり、そもそも5年ルールや125%ルールが存在しない金融機かもありますので、ご自身が利用している金融機関について確認することをおすすめします。また、全期間固定金利型や元金均等返済型の住宅ローンをご利用の方にはあまり関係ない話ですので予めご了承ください。
Contents
5年間は返済金額を変えない「5年ルール」。
現在住宅ローンを利用している方の7割以上が変動金利を選択していると言われています。
そういった状況の中、2024年10月より多くの銀行で基準金利が引き上げられ、多くの住宅ローン利用者の金利が上がることが確定しました。
金利上昇に怯える変動金利利用者の怨嗟の声が渦巻く中でよく出てくるのが
という意見です。
果たしてそれは本当なのでしょうか?というのが今回の記事の趣旨です。
というわけでまずは5年ルールから解説していきます。
そもそも「5年ルール」とは?
5年ルールは基本的に債務者救済のためのルールで、急激な金利変動によって住宅ローン利用者の財務が逼迫して破産する人が増えないようにするために設定されたルールです。
金利上昇で返済額が急に倍増してしまっては返済がままならないという方も多いですからね。
なので、多くの銀行では「借り入れから5年間は月々の返済額は変更しない」というルールが存在します。
auじぶん銀行の場合だと、「借入後5回目の10月1日を基準日とする借入金利の見直し
を行うまで一定のまま」というルールがあります。
で、これは「5年間は利息を上げませんよ」という意味ではありません。
続いて、「この期間中、借入金利に変更があった場合も返済額は一定のまま、「元金」と「利息」の金額の内訳が変更となります。」という記載がありました。
これは「利息自体は上げてますが返済額自体は5年間変わりません。ただし、返済額のうち元本返済額の割合が減って利息の割合が増えますよ。」という事を言っているんですね。
例えば今までは返済額のうち3万円が元本返済、2万円が利息だったとします。
基準金利を引き上げた後は、「返済額は5万円のままでいいけど、内訳は元本返済2万円、利息3万円に変更するよ!」というようなイメージですね(実際は毎月内訳が微妙に変わります)。
すると元本の返済額が減っていますので、最終的には借金の返済が遅れていくということになります。
単純に「新金利の適用から返済額の増額までにタイムラグがある」ってだけの話だから。
5年ルールを説明するコラムなどでよく言われるのは、「金利が上がっても5年間は支払額が変わりません」という説明です。
これだと解釈によっては「金利が上がってから5年間は返済額が上がらない」と取れてしまいそうですが、少なくとも私が調べたauじぶん銀行の説明では「借り入れから5年間(正確には5年以下)は返済額が変わらない」というものでした。
なののでそこには注意が必要です。
ちなみに新しい返済額(増額された額)が適用されるのは「12月分の返済後の翌日」からとなっていましたので、今回の10月1日がちょうど5回目とか10回目だった人は来年1月から返済額が上がることになるわけですね。
この辺には銀行によって詳細が異なると思いますので、ご利用の銀行のルールを確認しておいたほうがいいでしょう。
我が家は今回が4回目なので再来年からですかね。
5年ルールで発生した”ツケ”はその後の残りの期間で支払うことになる。
上の説明で「元本返済額の割合が減って利息の割合が増える」と説明しましたが、元本の返済が遅れた分はどうなるのか、という説明をしていきます。
もちろん、返済額が変わるまでの5年間で遅れた分に関して銀行が変わりに負担してくれるなんていう都合のいいことはありません。
これは、「遅れた分の元本と新金利を加味して再計算する」ことになります。
つまり金利が上がらず5年後を迎えたときと比べた場合、
「遅れた元本分と金利上昇分がダブルで乗っかった返済額になる」
という結果が待っています。
極端に簡略化して例を出してみます。
- 金利が上がる前は返済額は月5万円(うち元本3万円、利息2万円)
- 金利が上がらなかった場合の借入5年後の元本残高は2000万円
- 3年後に金利が上がって内訳が元本2万円、利息3万円になった。
こんな感じだったとします。
この場合内訳が変わった月から、金利が上がらなかった場合と比べると、元本の返済が月1万円ずつ遅れていっていますよね。
これが2年間続きますので、金利が上がらなかった場合の残高2000万円に対し、「1万円×24ヶ月=24万円」が返済残高に乗っかった2024万円が5年後の残高となります。
そして本来であれば残高2000万円に対して元の金利で計算された返済額(つまり当初返済額)となるはずが、2024万円の元本残高・直近の基準金利からの30年ローンとして返済額が再計算されることになります。
実際は基準日と適用日がズレてたりしますので細かいところはご利用の金融機関にご確認くださいね。
つまり、5年ルールというのは「5年間得するルール」というわけではなく、「返済額増加までちょっとだけ猶予をやろう、ただしその後は更にしんどくなるよ」という先送りルールであるということなんですね。
なので「5年間は返済額が変わらないから」とのんびり構えていては適用後に地獄を見る羽目になるので、基準金利が上がって困る人は適用日までの間にマネープランやライフプランをしっかり見直していかなければいけないわけです。
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返済額上昇の天井「125%ルール」。
そしてもう1つの「125%ルール」についてです。
125%ルールもとりあえず問題を先送りするためのもの。
「125%ルール」は借り入れから5年経って新しい金利での返済が始まる際に適用されるもので、
「新たな返済額は従前の返済額の125%を上限とする」
というルールです。
例えば旧金利の期間で元利込み5万円の返済を行っていたとすると、返済額見直しが適用された次の5年間は「5万円×125%=62,500円」が上限となり、それ以上の返済が求められることがないように定められたルールです。
なので5年が過ぎたからといって急に返済額が2倍になったりはしないということですね。
こうやって急激な返済額の上昇からの破綻を防ぐための一時的な救済策として125%が定められているというわけです。
そして再計算したときの本来の返済額が125%を超えた場合には、はみ出た分をまけてもらえるといったことは当たり前ですが一切ありません。
こちらも5年ルールのときと同様、返済額の中の利息と元本の割合を変更して調整するため元本返済がどんどん遅れていきます。
この場合も更にその5年後に未返済元本が上乗せされた状態で返済額が再計算されることになります。
125%ルールも5年ルールと同じく一時的な救済措置に過ぎず、問題を徐々に大きくして先送りするだけのものと思っていただければいいかと思います。
結構しんどい「未払利息」の存在。
5年ルールと125%ルールの解説は以上なんですが、金利の上昇局面ではもう1つ注意するべきものがあります。
それは急激な金利上昇が起こったときに「利息自体の金額が返済額を上回った場合」に発生する「未払利息」というものです。
これは5年ルールと125%ルールによって返済額が抑えられることが原因で起こるのですが、未払利息が発生するのはかなり危険な状態と言っていいでしょう。
例えば月5万円の返済額なのにも関わらず、金利上昇によって計算し直した利息額が返済額5万円を上回り、利息だけで6万円という計算結果になってしまっている状態です。
この場合、元本どころか利息すらも返せていない状態になっているのですが、発生した次月以降は返済額5万円に対しての返済の優先順位が
未払利息 > 元本利息 > 元本
となるわけですね。
初月で発生した未払利息1万円は次月の最優先で返済に充てられますのですぐに解消されますが、2ヶ月目に充当できる金額は5万円のうち4万円だけになってしまいます。
返済額残り4万円に対して利息が6万円ですので、その月は2万円の未払利息が新たに発生します。
なので結局は未払利息がどんどん膨れ上がっていくことになるわけです。
ちょっとシミュレーションしてみたところ、2000万円を35年ローンで借りた場合、当初金利が0.6%であれば月の返済額がおよそ53,000円となっています。
5年間で利率が4%程度まで上がってくると6年目の利息が57,000円くらいになるようです。
正直、未払利息なんて経済がぶっ壊れるくらいに利上げしないと発生しないだろうと高をくくっていたのですが、4%で未払利息が発生し得るとなると非現実的な数字とも言えません。
なので変動金利・元利均等返済で借り入れをしている方は金利が上がり始めた今のうちから正しい知識を持って備えておくことをおすすめします。
そしてこれから家を買おうと考えている方は、こういう自体もありうるということを前提に借入額を見直しておくのをおすすめしますよ。
間違えても「固定金利だと払いきれないから」という理由で変動金利を選択して目一杯借りるようなことは止めてください。
※住宅ローンの返済シミュレーションができるサイトです。
https://keisan.casio.jp/exec/system/1256183644
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金利上昇に備えて取れる対抗策は?
以上の解説をお読みいただき、5年ルールも125%ルールも一時的な猶予を得られるだけでそれほど頼れる救済策ではないというのはご理解いただけたかと思います。
むしろ後々来る地獄を想像して恐怖に怯えているのではないでしょうか。
そこで現段階で我々が取れる対抗策があればいいのですが、残念ながら一発で解決できるような策はありません。
一応いくつかの対抗策は挙げておきますが既存の借り入れが目一杯という方にとってはあまり効果的ではなく、借りる前の返済計画という予防策に勝るものはありません。
借りちゃった後の対抗策1:支出を減らす。
私を含めもう借りてしまっている人は後戻りはできませんので、ここからなんとかしようとするには返済額増加に備えて返済金額を捻出していかなければいけません。
となるとやはり誰でもできる簡単なことと言えば住宅ローン以外の家計支出を絞って返済金額を捻出していくことでしょう。
FPの家計相談シリーズとかで擦られ倒している「通信費の削減」なんかはMVNOが昔に比べて浸透してきているのでもうやっている方も多いと思います。
まだの方は早急に乗り換えることをおすすめします。
あとは利用頻度の低いサブスクの見直しはやっておいたほうがいいです。
色々登録しているとサブスクだけで月1万円を超えていたりしますので金利上昇とかにかかわらず定期的に見直しておいたほうがいいです。
各種動画配信サービスやプレミアム会員など、よくよく考えたら元を取れていないものもあるんじゃないでしょうか。
意外と馬鹿にならないのは、「ペットボトル飲料を外で買わない」ということですね。
我が家はお茶の消費量が尋常ではないのですが、外で500mlのペットボトルを1本買うだけで100~180円が飛んでいきます。特にコンビニはバカ高いです。
職場に持っていくお茶やコーヒーなどは通勤途中に買うのは止めましょう。
水出しパックのお茶にすれば商品にもよりますがリッターあたり20円とかになります。
コーヒーも自宅でバリスタから水筒に入れていけば1杯あたり20~30円くらいまでは下げられます。
旅行などでペットボトル飲料を買うのは回数が限られているので大した額にはなりませんが、職場には週5回通うわけですから1日1本だとしても月に3,000円くらいにはなってしまいますよね。
お茶とコーヒーを1本ずつ買ったらざっと倍です。
食費やお子さんの教育費に関しては率先してやることはおすすめしません。
近くに安いスーパーがあるのにわざわざ高い方に行っているという方は見直す価値がありますが、10円安い卵を買いに隣町まで行ったりするのは労力と見合わないことが多いからです。
教育費については現在の程度にもよるのでしょうが、明らかに子どものキャパを超えているというような状態でなければ子供の将来を狭めてしまうことにつながるため優先順位は下の方にしておいたほうがいいと思います。
節約は大事ですが時間も大事なのでまずは労力の少ないところから取り掛かることをおすすめしますよ。
借りちゃった後の対抗策2.手元資金の活用
これはある程度手元資金がある方向けなので誰もができるということではありませんが、眠っている預金などがあればそれを使うという手もあるにはあります。
その手段は大きく分けて、
- 繰り上げ返済
- 取り崩して耐え忍ぶ
- 投資による運用
の3つがあります。
そのうち、繰り上げ返済については「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2パターンがあります。
どちらも元本返済額の割合を高める効果があるのですが、期間短縮型はローン期間を短縮するやり方で、返済額軽減型は月々の返済額を減らす(金利上昇による返済額の上昇幅を減らす)やり方です。
利息軽減効果は期間短縮型のほうが高いとされているのですが、ローンの終了時期を繰り上げるという性質上、金利上昇によって返済額が上がる状況下においては直近のマネーフローはそれほど改善しません。
返済額軽減型だと直接返済額を減らせるため直近のマネーフローはだいぶ良くなりますので、差し迫っている場合は返済額軽減型の繰上返済を選ぶといいでしょう。
ただやはり、手元資金を使ってしまうというのは先の長い住宅ローンにおいては手放しで勧められる代物ではないと個人的には思います。
そんな人は多少金利が上がっても慌てる必要すらないですからね…。
次の「取り崩して耐え忍ぶ」というのは一番現実的な方法ではありますが、今までコツコツためてきたものをじわじわ減らしていくというのは精神的にかなりキツイです。
これで行く場合は最初に挙げた節約と合わせて運用することになると思うのですが、生活水準を下げたうえで貯金が減っていくというのは考えただけで病んでしまいそうですね。
そして3つ目の「投資による運用」については、数字上では一番有利なのは確かなのですが、相場はやはり上下するものなので、いざ取り崩そうと思ったときに利益が出ているとは限らないという致命的なネックも存在します。
もしやるのであれば、手元資金を投資と貯蓄に分けて、利益が出るまでは貯蓄を切り崩していきながらある程度利益が出ているときに投資の方を現金化するというやり方でいくのが無難かなと思います。
そもそも投資は余裕資金でやるものなので、数字の上では一番期待値が高いと言っても現金化が急がれる状況下では安易におすすめできるものではありません。
どの対抗策も一長一短ありますので、ご自身の状況を鑑みてバランスよく組み合わせて検討してください。
裏技みたいなものなんてないし。
まあ手元資金を全部繰り上げ返済に回すとかはやめたほうがいいけど。
借りちゃった後の対抗策3.収入を増やす。
出口を絞れず、手元資金の活用も難しいとなると残される手段は「入口を増やす」しかありません。
今現在働いている収入の他に副収入を得ることで支出の増大をカバーするという方法ですね。
「そんな簡単に言うなよ!」という声が聞こえてきそうですが、現在は昔に比べるといろんなものをマネタイズしやすい環境になっています。
ブログであったりYouTubeであったりもそうですが、セール品を買ってきてメルカリで売ったりする物販などは比較的簡単にできる副業ではありますね。
年20万以上稼いでしまうと確定申告が必要になりますが、確定申告の手間は正直それほどでもないので稼いでから考えればいいことです。
会社にバレない方法もちゃんとありますしね。
だが行動力だけは評価する。
話を戻しますが、収入を増やすというのは金利上昇に対してだけでなく人生のあらゆる場面で役に立つので、常に選択肢に入れてもいいのではないかと個人的には思っています。
確かに仕事仕事だと病んでしまいそうなので、まずは趣味のマネタイズを考えてみるのが無理なくできる方法だと思います。
例えば私のように昔取った杵柄でブログを書いてみるのもいいでしょうし、絵を描くのが趣味であれば作ったイラストをSUZURIなどで販売するという方法もあります。
ゲームが好きとかであればゲーム配信とかをやってみてもいいでしょう。
もちろんやり始めてすぐに稼げるような代物ではないのですが、コツコツと続けることで稼げる可能性が出てくるので、趣味の延長としてやるのであればアリかなと思っています。
あとは運動不足であれば体力作りがてら休日にUberをやる人とかもいますね。
昔に比べてスキマ時間でお金を稼ぐ方法はかなり充実してきていると言えるでしょう。
今は氷河期と違って売り手市場ですからね。
金利上昇局面での借り換えはあまり効果がない。
金利が下降または低水準を維持している局面においては「借り換え」が積極的に勧められていました。
一方金利上昇局面においては借り換えは有効な手段とはなりえません。
というのも、自分が借りている銀行の金利が上がっている状況では同じように他の銀行も金利を引き上げていることがほとんどだからです。
そもそも借り換えは「金利が高い地代に固定金利で借りていた人が低金利で借り直す」ためのものなので、もともと低金利で借りている人が乗り換える意味がないわけです。
確かに有店舗の銀行で借りている人はネット銀行の金利を見たらそう思うかもしれません。
しかし金利が低いと言っても金利差はせいぜい0.1~0.3%程度です。
そして金利の低いネット銀行では借入時に「事務手数料」が取られます。
この手数料は借り入れの2%(税抜)が相場ですので、この支払いを考えると必ずしも得になるとも言えませんし、そもそもこれから返済が重くなるという折に数十万円もの手元資金を支払うことは不安が増えるだけです。
結構痛いな。
ネット銀行の安さに釣られて借り換えると思わぬ出費が発生してしまうことになりますので、金利上昇局面での借り換え効果は懐疑的(というかあまり意味はない)と言えるでしょう。
という人は借り換えしてもいいと思いますよ。
返済がきつくなったらすぐに銀行に相談する。
金利上昇によって努力の甲斐なく返済が厳しくなってしまった場合についても書いておきます。
もし「今月はなんとか払えたけどキッツいなー」と思ったら、すぐにでも借り入れた金融機関に相談してください。
間違っても滞納してほったらかしてはいけません。
滞納を繰り返したりしていると、ある日突然一括返済を求められる可能性があります。
そのへんは滞納したことがないのでなんとも言えません。
月々の返済が苦しい人に一括返済ができるわけがありませんので、せっかく買ったマイホームが競売にかけられることになります。
で、競売での売却価格はよほど終盤ではない限りローン残債より安い価格で売られるので、マイホームを取り上げられた挙げ句、不足分の借金を返済し続けるという二重苦に陥ることになります。
滞納する前に銀行に相談に行くと場合によっては返済のリスケに応じてくれたりします。
そうでない場合であっても、競売だけでなく任意売却などいくつかの選択肢が与えられ、その中でこちらに有利なものを選択する余裕が出てきます。
少なくとも、
じゃあ今すぐ一括返済な!
と言われることはありません。
銀行側としても抵当権を行使したり競売にかけたりとかは面倒ではあるので、銀行に損失の出ない範囲で穏便に回収できる手段を模索してくれます。
なので、「苦しくなったら滞納前に相談!」というのを覚えておいてください。
早ければ早いほど選択肢は増えますからね。
ただ1個注意点ですが、もし相談して「リバースモゲージ」を勧められたらそこの判断は慎重になったほうがいいです。
私の見方が穿っているだけかもしれませんが、リバースモゲージをさも救世主のように話して勧めてくる銀行員がいないとも限りません。
リバースモゲージも金融商品の一つですのでメリット・デメリットは存在します。
「よく検討してみてそれが一番」というのであれば問題ないのですが、安易に飛びついてしまうと先々余計に苦しくなってしまったり、子ども(相続人)に多大な迷惑がかかる可能性がある商品ということは覚えておいてください。
話が逸れましたが、住宅ローン返済に困っている人に対して妙な金融商品を売りつけるようなことは基本的にはない(と信じたい)ので、とにかく借り入れた金融機関に相談して最善策を模索することをおすすめします。
お前どんだけ銀行嫌いなんだよ。
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5年ルールと125%ルールの話まとめ。借りる前に考えて!
- 5年ルールは借り入れから約5年は返済額が変わらないというルール。
- 以降5年毎に返済額が見直されるパターンの銀行が多い。
- 125%ルールは見直し時に返済額上限を従前の125%までに制限するルール。
- どちらも一時的な猶予が与えられるだけの先送り機能でしかない。
- ルールを採用していない銀行もあるので要確認。
- 金利急上昇によって未払利息が発生するケースもある。
- 未払利息は元本が全然減らなくなるのでかなり厄介。
- 借り入れが済んだ後では金利上昇への対抗策は限られている。
- 金利上昇局面での借り換えはあまり意味がない。
- 苦しいと感じたらすぐに相談。滞納は絶対ダメ!
といった感じです。
正直借りてしまった後でできることは限られています。
なので本来は借りる前の試算をしっかり行って、金利上昇に耐えられるよう余裕のある金額しか借りないというのが最適解になってくるんですね。
少なくともその時の固定金利で無理なく返せる金額に抑えておく必要があります。
「固定じゃ返済きついから変動にしよう」という動機ではどっちにしろ破綻は必然と言えるかもしれません。
しかしそういう動機で変動金利で借りている人が大多数というのも事実です。
家を売る不動産屋は購入後のキャッシュフローなんて気にはしませんし、低金利に張り付いていたのをいいことに目一杯借りさせてワンランク上の物件を買えると錯覚させることに勤しんできた成果です。
不動産屋の営業の考えることなんてそんなもんです。
なのでこれからマイホーム購入を考えている方は、最低でも固定金利での返済計画をシミュレーションして返済可能かどうかを判断することをおすすめします。
もしそれで返済がきついということであれば、その金額を変動で借りることはやめましょう。
そして既に借りてしまった人については、5年ルールや125%ルールで安心するのではなく、いっときの猶予でしかないことを念頭に置いて「支出を減らす」「収入を増やす」ための行動を早くから取るようにしましょう。
そしてもし返済がきついと感じたらすぐに借りている金融機関に相談してください。
そのまま放置しているよりは格段に良い結果を得ることができます。
高いお金を出して買うマイホームですから、買う前も買った後も情勢の変化に対応できるように早いうちから情報を得て計画を立てることが重要ですよ、というお話でした。
以上です!